画像は『スパイファミリー』6巻表紙より引用/遠藤達哉/集英社
先日、「SPY×FAMILYは面白い!」という内容で記事を書きましたが、本日は第二弾。
「SPY×FAMILY」のどの辺が面白いのかを、熱く語ってみます。
コメディーなので、なんというか、難しくなくって罪のない所がいいですね、アーニャ可愛いし。
「SPY×FAMILY」がどんな内容なのかは、こちらの記事をご覧ください。
「SPY×FAMILY」の魅力的世界感やアナログ感
「SPY×FAMILY」は、主人公ロイドと、殺し屋の奥さん、エスパーの子供の3人で、仮初の家族を演じる中にドタバタがあるコメディです。
ロイドはスパイなのですが、時代や国、街並みの設定がとにかくクラシカルでドラマチック。
国が東西に分かれているとか、「鉄のカーテン」とか、こんな設定にドキドキする人はいませんか??
昔はドイツは2つに別れていたし、二国の間には、壁があったんですよ。
一応マンガの世界で使われている国名は架空の名前(オスタニアとウェスタリス)だし、時代背景もなんとなく明確にはなっていません。
だけど、出てくる言葉や風景から、1950~60年代位をモチーフにしているのは明らか。
この環境、若い人にはなじみが薄いかもしれないけれど、一定以上の年齢の人にはズキュンと来る設定なんですよ。
昔々の007とか、スパイ大作戦の設定と同じなんですね、これ。
登場人物たちが着用している服装もクラシカルな感じだし、主人公のロイドが着ているスーツなんて、映画「アンタッチャブル」か「ゴッドファーザー」、はたまた「キングスマン」かという感じです。
(禁酒法時代と50年代だと、ちょっと時代がずれますが・・)
国が東西に分かれている事や、秘密警察の制服を見ていると、漫画のモデルはドイツなのかな??とも思うけど、街並みなんかは、イギリスっぽい。
アーニャが通うお金持ちの学校「イーデン」なんてそのまんまハリーポッターの世界だし、「イーデン」という名の由来は、かの有名なイギリスのパブリック・スクール「イートン校」からだと思われるので、街並みなんかはイギリスを模しているのかなと思われます。
余談ですが、ハリーポッターはいいとして、イーデン校をドイツやオーストリア風に「ギムナジウム」と言えば、ある種の女性ならきゅんっっとすると思いますよ。
話ももちろん面白いのですが、背景も美しく、服装のシワまで描き込みが細かいので、この漫画を読んでいると、もうその世界の住人になってしまいます。
そんな世界観だから、武器や通信機器なんかもアナログ。
携帯やスマホなんかは勿論ありません。
ハラハラドキドキもするけれど、時間が少しゆっくり流れているような・・。
「古き良き時代」という表現はあまり好きではないのだけれど、殺伐としたところが少なく、人間的な世界観は読む者の心を落ち着かせる。
デジタルや科学、AIなど、現代にあるものがない時代だからこその面白さや良さがこの漫画には沢山あって、ある人には懐かしさを、ある人には新鮮さを感じさせ、独特のファンタジー感やフィクション感を引き立たせています。
アーニャ可愛いすぎ!!実は子供の世界がメインというあざとさ!
さて、この漫画の登場人物は揃って魅力的ですが、子供役「アーニャ」の可愛さは無敵です。
子供ですから、まず、フォルムからして可愛い。
作者の遠藤達哉さんはとても絵が上手い方ですが、アーニャに限っては、フォルムがほぼ図形と言ってもいいくらいカッチリと完成されています。
マジで、最高に可愛く見せる図形ですよ図形。
そして、アーニャはなんていうか、色々な意味で子供らしい。
自分に都合の悪い所はスルーとか誤魔化しちゃう所とか、頑張りがちょっと空回りしちゃう所とか、屈託のなさや素直さなどなど。
アーニャは人の心が読めるエスパーなんですが、心は読めても子供の理解度の低さゆえの曲解があったり、知ってる単語だけを拾って話を作っちゃったりと、子供エスパーならではのエピソードが面白すぎます。
しかも舞台は、学校がメイン。
今後変わるかもしれないけれど、今現在のミッションは、アーニャが「イーデン」でいくつも表彰されて、学園エリートになる事。
さらに、ターゲットの子息と仲良くなる事なんです。
だから、学校でのエピソードも多く、子供同士のやり取りも微笑ましく笑いが出ちゃう。
アーニャは言葉遣いや表情、感情表現も可愛くて、きっと誰もが応援しちゃうキャラ。
これは絶対計算されてるというか、連載前からかなり煮込まれている設定。
なんてあざとい・・。
アーニャとロイドのやり取りは、少し「よつばと!」に似ている気もしますが、得てして子供というものは、こういうものなのかもしれません。
もう、ヤングだけでなく、世の中のちちとははの心を鷲掴みです。
アーニャが返事をする時の「うぃ」もとってもイカしてます。
(「うぃ」はフランス語だから、アーニャはフランス生まれだったりしてね)
キャラの言葉遣いに好感。
スパイファミリーに出てくる3人は、言葉遣いが結構丁寧なんですよ。
アーニャとヨルさんは少し特徴ある喋りをしますが、これも嫌味にならなくて心地よい位。
この漫画の読みやすさは、セリフが自然で無理が無いところにもあると思うのですが、丁寧な喋りは気持ちを優しくさせるし、この漫画の世界観も確立させている。
そんな状況で、その道からは恐れられているヨルさんの仕事が殺し屋で異名が「いばら姫」って・・・。
このギャップ・・。
こう考えると、細かい所までこの漫画気を遣ってるんだなぁと、改めて脱帽。
しかも、今度はモフモフの犬まで出てきちゃうという・・。
子供×動物×コメディ×ホロリ・・・とか、どんな方程式ですか!
・・・、う~ん、あざとい。
そんなわけで、コミックを待ちきれない私は「SPY×FAMILY」を読むために「ジャンプ+」をスマホに入れてしまいました。
当たらないで欲しい今後の予想・・・
きっと誰もが好きになっちゃうこの「SPY×FAMILY」。
今はすごい人気だし、この世界観と雰囲気がウケているのだろうからいいのですが、私にはひとつ心配があるんですよね。
スパイマンガなので、所々大立ち回りやアクションがあるのですが、出来ればこのままバトル漫画に移行せず、楽しい雰囲気のまま連載してほしい・・・。
この意見に??となる人もいると思いますが、実は私は昔、ほんわかした雰囲気の漫画だったのに、最終回の頃にはいつの間にかバトル漫画になってしまっていたものを、いくつも見たことがあります。
いくつかというか、結構な確率でそうなっちゃった・・・。
「SPY×FAMILY」はバトル要素なんていくつでもあるから、そこが心配です。
だけど、ロイドはいいとして、ヨルさんが殺し屋とか、アーニャがエスパーとか、今後色々な過去が明らかにされると思いますが、明らかにされなくても面白いまま終われそうなこの漫画に、恐れさえ感じますよ。
「SPY×FAMILY」は、現在スマホアプリまたはブラウザの「ジャンプ+」で、隔週月曜連載されています。
リアルタイムで読むだけなら無料です。
ビックリですよね。
電子書籍でも立ち読みができるので、気になる人は読んでみてくださいね。
それではまた。