ダンス・ダンス・ダンスールを読んでます。これは第二の私のバイブル!!

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バレエ漫画は数あれど、認めた作品は数少ない!!

・・・って、何様のつもりですかね、私。

実は、私は子供の頃からバレエが好きで、大人になってようやく趣味でバレエを習うことができています。

大人から始めているから、本当のところの厳しさなんて知らないし、コンクールなんて別世界だし、頂点目指すなんて、「何寝言言ってんだ。」位なもんですが、その分、憧れやら何やらで、多少はその世界を見てきたんですよ。

で、バレエを扱った漫画はそれぞれに面白いのですが、リアリティに少し欠けていたり、漫画家さんの画力が、肉体の作りや美しさを描写できていなかったり(バレエの正しい動きを絵にするのはとても難しい)などなどで、今まで本当にバイブルにしている漫画は少ないのです。

個人的には、山岸涼子先生の「舞姫〜テレプシコーラ〜」が今も昔も私の最高峰のバイブルなのですが

これはちょっと・・、食わず嫌いしてたな・・。

もっと早く読むべきだった・・。

27巻もの時間を、無駄にしてしまっていた・・。

というのが、今日記事にしている『ダンス・ダンス・ダンスール』です。

なんていうか、絵柄の問題もあるんだけど、表紙のキラキラした感じとか、汗が飛沫いている部分とかがいかにも青春て感じで、「一生懸命さとか憧れだけで描かれているバレエの世界」という先入観を持ってしまったんですよね。

根性論だけでいける世界じゃないんだよとか、思ってた。

そんな人多いと思うんですけど、違いますから!!!

青春のキラキラや甘酸っぱさはあるけれど、思っていたよりも、バレエだったし、リアルだった。

大事なところがしっかり描かれている『ダンス・ダンス・ダンスール』は、エピソードが多い群像劇。

確かに27巻も続いている面白さと読み応えを感じる作品でとても面白いので、ぜひ読んでみてほしい。

さて、今更ですが、『ダンス・ダンス・ダンスール』は、バレエが好きな「村尾潤平」君という男の子が主人公の、バレエ漫画です。

男の子目線のバレエ漫画珍しいですね。

しかし、彼が本格的にバレエを始めるまでが結構長く、実は、私はそこを流して3巻から読み始めました。

バレエに興味はあるものの、男の子だからとか色々な理由で、前半はバレエに興味が無いふりをしたり、バレエを始めたことを周囲に隠していたりするんですよね。

でも、色々な要因が引き金となり、結局本格的にバレエを始め、彼の世界がバレエ一色になっていく。

初めてバレエを始めた教室では色々あって潤平は教室を変えることになりますが、その後ライバルとの出会いがあったり、YAGP(ユースアメリカグランプリ)に出場したりと話は進み、幼い頃に憧れたダンサーに出会い、27巻ではかの有名なローザンヌのコンクールに出場するまでが描かれていますが、全く中だるみなど感じさせない熱量。

どころか、各所煌めきと感動と眩しさでいっぱい。

しかも!
合間に挿入される、その年齢らしく描かれた、学校生活や友人とのやりとり、恋や愛などのエピソードもまた秀逸。

この漫画、マジですごいわ・・。

基本は潤平のエピソードですが、他の登場人物のエピソードも深く大きく、各登場人物にしっかりとしたアイデンティティを持たせたストーリー組は、青春の群像劇。

プロを目指すのはとても厳しい世界のバレエですが、悩みや苦悩を描くシリアスなだけの作品ではなく、合間に挿入される笑える要素やコメディーなコマがまた絶妙。

この漫画が連載されているのは「スピリッツ」だそうで、青年向けの雑誌で、男の子が主人公といえどバレエ漫画がここまで続いているのはなぜだ??

との思いもよぎりましたが、普通にストーリーが良いんですよ。

夢中で読んで、27巻(2024年2月時点)読み切った。

しかし、あっという間に読み切ったのではなく、1巻1巻読んだ後、色々考えることもあったので、読了までには1ヶ月を要しました。

この漫画のすごい所は、これだけではありません。
潤平はもともと身体能力が高く、恵まれた体形(この辺りも、ずるいなとは思いつつ、結局見た目や才能、スタイルがものを言うバレエの世界をリアルに表現している)で、性格は素直で明るい。

若い頃、潤平みたいな素直さがあれば、もっと人生生きやすかったのになとは思いますし、もっと子供の頃にこの漫画を読んでいれば、人との関わり合い方の指南書になっただろうし、思春期前の子供がいれば、ある意味生き方の教科書として、この漫画を読ませたとも思う。

まぁ、そんな素直で明るい潤平君はみんなから愛されているのですが、その性格ゆえ、バレエに対しても割と円転滑脱。

破天荒な感じで、ストーリーは一瞬都合良さげにねじ伏せるように展開する。

これって大丈夫??
こう言う感じで進むの??
でも、バレエはもっと・・。

と、個人的な違和感を感じつつも、漫画特有のご都合主義と割り切り読み進めますが、『それは違う』と言う部分が、後になってスムースに、諭すように別の視点から説明され、それに潤平が気づくあたり、読者を唸らせます。

よき師と一生のライバルに出会った、初めての教室で成長を遂げる潤平の物語かと思いきや、意外にも、当初敵対すると思われた本格的なプロ集団の教室へ変わるあたりや、大人の階段を登っていくストーリー展開が自然で、もう、この漫画から目が離せません。

多くの登場人物にそれぞれ個性や人生が与えられ、一人一人に光と闇を背負わせる。

この物語は、主人公を中心に回るけれど、主人公一人にスポットが与えられているわけではない。

それぞれの考え方は違えど、それぞれが正義。

全員がダンス・ダンス・ダンスールの舞台に立ち、読む側にするりと侵入し、強烈な印象を残す。

1巻の表紙を見る限り、絵柄の好みは分かれそうで、序盤の絵柄が上手くバレエを踊る肢体を表現できてなかったりと言うことはありますが、後半、ものすごい画力で描かれていくバレエの世界。

もっと色々描きたいけれど、百聞は一見にしかず。

バレエを好きじゃ無い人や知らない人にも、明日への糧。

バレエの世界だけではなく、10代の瑞々しく、迸るような感情の動きや機微が感じられる素晴らしい作品なので、ぜひ読んでほしいです。

それではまた。

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