【重版出来!】14巻感想。心ちゃん、壁に。

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遅ればせながら、『重版出来!』14巻を読みました。

大好きな作品なので、今回も面白かったです!

 

そんな『重版出来!』14巻には数種のエピソードが入っていますが、ヤマは中田画伯が作品に取り込まれちゃう前半の部分となります。

そしてやっぱり、気になる所で終わるけど、読後感は相変わらずとても良かったです。

中田画伯、作品に取り込まれる

冒頭の文で「取り込まれる」という事を書きましたが、『重版出来!』第14巻。

13巻から様子のおかしかった中田君が、遂に作品に取り込まれ、メンタルに支障をきたします。

時期を同じくして、河さんはお勤めの書店をリストラされてしまいます。

あんなに活き活きお仕事していたのに・・。

幼少期のつらい体験から人とは違う感性を身につけ、他人には書けないストーリーを綴り才能を開花させた中田画伯。

今までため込んだ負の感情を爆発させるような超集中で作品を完成させていきますが、自分の作品の悪役「ドルク」と同化し、異常な行動に出るようになってしまいます・・・。

アシスタントからの連絡を受けて駆け付ける心。

ペンで自分の手を突き刺した中田を病院に連れていきます。

メンタルに支障をきたした中田君、五百旗頭さんと編集長には、以前同じように作品に集中しすぎて潰れてしまった作家さんの影がチラつきます。

特殊な例と見られがちですが、意外に有名な落語の師匠やお笑い芸人が、笑いと通常の境目が分からなくなったり、客観的に作品が見られなくなったり等、 「作家が作品に取り込まれる」という話は、意外とよく聞きます。

自らの深い部分を探ったり切り売りするようなお仕事は、精神の崩壊と背中合わせなのかもしれないですね。

この事があって、心は高畑先生との大事な約束をすっぽかすという大失敗をやらかし、和田編集長にも「まだ荷が重い」と、中田君の担当を外されてしまう訳ですが、この後の編集長や五百旗頭さん達のフォローや叱り方が素晴らしいです。

言葉は多くないけれど、適切な判断をし、理由をはっきり伝え、フォローする。

心ちゃんも落ち込んでいるけれど、腐らず納得して前に進もうとします。

この辺が、この作品の本当にいい所なんですよね。

結局、しばらく中田君は和田編集長が担当となり、様子を見る事になり、連載は一時ストップします。

 

心ちゃんは、人にも職場にもとても恵まれているとは思いますが、強化選手時代に心を癒してくれた漫画界でどうしても働きたいという強い気持ちと、誠実な姿や行動がしっかりと伝わるので、周りも気にかけてくれるのだと思います。

周囲の環境が良くなるのは、自分が周囲にしている態度の表れとも言いますから。

逆に、悪くなる時は、自分の事を顧みる事も大事です。

後半は少しご都合主義のような気もするけれど、「好き」という気持ちは、岩をも砕く(?)

さて、14巻後半は、中田君の事も続いていますが、ベテランの書店員河さんのリストラから物語が展開します。

このご時世で昔ながらの書店は経営が苦しく、人員を削減したり、店舗数の削減を余儀なくされています。

心が勤める「週刊バイブス」も発行部数の減少とか、電子書籍への移行等の回がありました。

世の中が変わっていくときはあっという間。

河さんも、一旦本屋は諦めて転職を考えますが、好きな分野で出来るだけやってみようと、最後まであがく事を決めます。

ここから話は急展開。

行きつけのカフェをたたむというマダム。

いつもの飲み会での取次さんとの出会い。

新しいタイプのカフェでもあり本屋でもある居心地のいい空間。

いささかご都合主義のような気もしましたが、河さんは、好きな気持ちを貫いて、新しい道を切り拓いていくことを決めました。

気になる資金集め、その方法はいま話題のクラウドファンディング!

今度は経営者となる河さん。

結果はまだまだこれからですが、時代のニーズに合った新しい書店をオープンする事になります。

『重版出来!』を読んでいてとても面白いのは、漫画業界の裏側が見られる事だけではなく、最新の世界を知る事ができて、びっくりするほど勉強になります。

今回は、話題のクラウドファンディングの事がよくわかるようになっています。

以前は、AIを駆使した最も検索されているキーワードの話などもあり、畑違いの仕事をしていてだんだん世の中に疎くなっている私にとっては、いつも目から鱗です。

SNSやネットニュースで聞いたことはあるけれど、今、世の中はこんな事になっているんだねぇ・・。

14巻はアユちゃんの門出もあり、春にぴったりな巻となりました。

そんな訳で『重版出来!』14巻。

今回も面白く読みました。

所々でアユちゃんも登場し、人間関係は繋がっていきます。

高校生となったアユちゃんは、新しい環境で明るい兆しが見え始めます。

中田君はまだ心配な状態で次の巻へ続きますが、アユちゃんの義務教育の終了、高校入学、河さんの門出と、新展開へ向けて、春にぴったりな14巻となりました。

15巻の発売は、現時点では8月予定との事。

私はまたワクワクして待ちたいと思います。

こうやって、だんだん年を取っていくのだね~・・。

やだわ。

それではまた。

『重版出来!』は、電子書籍でも読むことができます。

今回14巻を読んで、『私はやっぱり紙が好きなんだな』とは思ったけれど、小さい中にたくさんの本を入れて歩ける電子書籍も、否定はしないですよ。

それではまた。