漫画『ゴールデンカムイ』21巻が発売されましたね。
例によって、北海道は3日遅れで書店に並びました。
北海道の漫画なのに失礼しちゃう(# ゚Д゚)。
さて、21巻、とても読みごたえがあって面白かったです!
樺太編では最も面白くて感動した巻でした。
相変わらずの光るギャグセンス、話の流れ、展開。
笑いあり、緊張あり、今回は涙あり、素晴らしかったです。
といっても、私は『ゴールデンカムイ』ファンなので、きっとどの巻を紹介させても「面白い」と書くんでしょうが、21巻は特別。
そんな巻です。
ゴールデンカムイ21巻のあらすじを駆け足で紹介
そんな訳で、21巻のあらすじを駆け足で紹介です。
あらすじなのでネタバレはあります、悪しからず。
20巻では、片目を失った尾形が、病衣一枚でヒャッハー!と馬にまたがり逃走しましたね。
衝撃の絵面に失笑を禁じえませんでした。
樺太編が大体終了し、一行は北海道を目指す今巻。
新展開に向けて新たに加わる人物や、独り立ちを決める人物、あの人の本音が垣間見えたり、アシリパさんの迷いが消えたりと盛りだくさんの内容です。
尾形を追ってきたロシア兵ヴァシリ
北海道を目指し樺太の国境を犬ぞりで越える杉元達。
途中、樺太アイヌの集落にお世話になりながら、静香に到着します。
そこに突然銃撃が!
鋭い射撃に『尾形が戻ってきた』と一行は思いますが、狙撃してきたのは、16巻の最後の方でキロランケを襲ったロシア兵のヴァシリでした。
キロランケはロシア皇帝殺しの指名手配犯でしたからね。
情報を流したのは鶴見中尉です・・、悪い人・・。
16巻の時点では、まだ網走監獄からロシアへ移動する途中。
キロランケは生きていたし、同行していたのはアシリパに尾形、それから白石です。
そこでヴァシリと尾形は狙撃対決をしたのですが、勝ったのは尾形。
頬を打ち抜かれて倒れたと思われたヴァシリですが、生きていたんですね。
再び尾形に戦いを臨むべく、ロシアから一行を追ってきますが・・・。
活動写真家と出会うアシリパと杉元
場面変わって森の中。
樺太を去る前に、「グズリ」を狩ろうとアシリパと杉元は計画します。
狩りを始める前の儀式をするアシリパ。
古い習慣に捕らわれない生き方をする所がありながらも、『どうしたらアイヌの文化を残せるのだろう。』という思いも同時に持っているようです。
そこに偶然通りかかった活動写真家たちは、アイヌの文化や狩りの様子を撮影させて欲しいとアシリパに申し出ます。
アシリパは『これならアイヌ文化を映像で残せるのではないか』と、アイヌの伝承を映像化する事を提案します。
撮影を通じて思いもよらないものを目にするアシリパ達ですが、このエピソードは21巻の中ではゆるエピソードのギャグ回。
久々に全員のびのびと描かれていて、ひと息つくことのできる場所です。
しかし、一息つけるギャグ回なのに、今後の行き先を決める重要な回にもなっています。
上映会をしている時の面々(なぜか後をつけてきたヴァシリもいる)の行間を読ませる演出。
思いがけない展開、その後につながる布石などが見事に描かれ、読者をつかんで離さない魅力が至る所に詰まっています。
ところで、あの写真家たち、まさか中尉の差し金じゃないよね・・。
もう、何も信じられないよ。
生きていた都仁庵士と、トップ同士の化しあい
一方、土方軍。
舞台は一度、登別に移ります。
網走からパーティーが分かれたことによって、それぞれのエピソードが重なっていくので暫く読んでいないと繋がりにくいですので、ちょっと整理します。
アシリパは、キロランケに連れられて、尾形と共に樺太に渡りますよね。
その中には、白石もいます。
杉元は、尾形によって頭を撃たれている為、一度鶴見軍に勾留されます。
お陰で一命はとりとめたものの、持っていた刺青人皮は全て取り上げられてしまいます。
アシリパさんの後を追う事にした杉元には、鶴見中尉が 監視として 月島軍曹と鯉登少尉を同行させます。
その他、谷垣とチカパシも同行。
アシリパさんを追う過程でサーカス団とのエピソードがあったり、(このサーカス団スパイなんだよ。よくある話だけど。)スチェンカでガンソクと出会ったりします。
ガンソクは、より強い人間を探しサンクトペテルブルクに向かっていますが、21巻では健在です。
その頃キロランケ一行は、暗号を解くカギを思い出させるため、テロリストの生き残りであり、リーダーでもあるソフィアとアシリパをひき会わせようと、ソフィアの収容先を襲撃し、再会を果たします。
鶴見中尉はそのあたりに、軍の保養所がある登別温泉にいたと言う訳です。
土方軍は土方軍で動いていて、この間に刺青人皮を2枚程手に入れています。
登別温泉には土方軍のスパイ、「都丹」が潜伏して情報を収集しています。
20巻では雪山で、都丹と中尉軍が対決しますが、地元アイヌであり鶴見軍兵士の「有古(ありこ)」の策略により、都丹は破れてしまいます。
が、しかし・・・。
20巻でかっこいい最期を遂げたと思われた都丹、生きていました!!
もう、本誌を追っていないから、前回の記事で「都丹の最期はかっこよかったですね」とか書いちゃったではないですか!!
この記事です。後で読んでみて下さいね⤵
このエピソードは、中尉と土方さんの騙し合いに、読者は舌をまけという回なので、詳しいあらすじは控えます。
知りたい方は、是非コミックスを購入しましょう。
エノノカ達との別れと、チカパシの独り立ち
それぞれが樺太での目的を果たし、犬ぞりを貸してくれていたエノノカ達との別れも近づいてきました。
忠実な柴犬「リュウ」は、出世を果たし、犬たちのリーダーとしてここに残るようです。
チカパシ達は大泊へ向かう事にしエノノカ達に別れを告げますが・・・。
走り出した犬ぞり。
叫ぶエノノカの声に振り返るチカパシ。
ここでひとつ、大きな別れがありました。
みなしごであったチカパシは、谷垣やインカラマッたちと出会う事によって大きく成長し、樺太で居場所を見つけ、今度は自分の足で立ち上がり、エノノカ達を守ることを決めます。
ボロボロと大きな涙を流しながら、宝物の二瓶の銃をチカパシに渡す谷垣の姿には泣けましたね。
回想シーンを挟んでのコマ割りも素晴らしく、『ゴールデンカムイ』でこんな場面を見るとは思いませんでした。
ほんの小さなコマですが、二瓶の銃を、もう自分は支えてあげられないから大きくなるまで使うなよという谷垣のセリフは素晴らしかったです。
そして、別れのシーン2ページはあのセリフ・・。
さすが野田サトル・・・。
迷いを捨てるアシリパと、ワクワクのヒキで22巻が待ちきれない!
チカパシと別れ、一行は大泊に到着。
ここで、アシリパさんと鶴見中尉を引き合わせる事になっています。
杉元は、土方歳三側につくよりは、鶴見軍の方がアシリパさんに有利になるだろうと考えているようです。
親の気持ちか恋人の気持ちか、杉元はアシリパさんに重荷を負わせたくないようですね。
でも、鶴見中尉の思惑は、そんな紳士じゃないようです。
これには色々と因縁があるので、ここも、出来れば漫画を読んでいただきたいのですが、私的な恨みがあるんですよね・・。
このあと、漫画では鶴見中尉の意外な反応を見る事ができます。
前日の晩に、自分が見ているアシリパさんと、アシリパさん自身の姿のズレを白石から指摘された杉元ですが、鶴見中尉との対面に、大きな違和感を覚えたアシリパさんが、今後どうしたいのかを即座に察します。
天に向かって数本の矢を放つアシリパ。
「毒矢だ!!!!」と大声で叫ぶ杉元。
逃げ惑う兵士たち。
金塊は二人だけで探そうと、アシリパと杉元は逃げ出します。
!!!!!!!
ここ数巻、笑いを交えながらも影を落とす 展開 が多かった本作ですが、21巻は二人で逃げ出すという、久々に冒険活劇らしい、実に痛快な終わり方でした。
ワクワクが止まらないし、22巻が待ちきれません。
(あれ?20巻もオガタニゲルで終了か。)
21巻にしてこの熱量と盛り上がり、本当に、どこまで練られてこの漫画は作られているのか・・。
ゴールデンカムイ21巻感想
あらすじで結構書いてしまったので、短く感想を書きます。
『ゴールデンカムイ』21巻は、本当に素晴らしく面白い巻でした。
久々に土方さんも登場し、鶴見軍・土方軍、裏の裏をかくツートップの化かし合いにもドキドキでした。
気になるのは、あらすじには書きませんでしたが、自分にかけられた鶴見中尉の罠に、月島軍曹も鯉登少尉も気が付いていた事。
鯉登少尉はどうでもいいけれど、軍曹の深い闇を見てしまって、少し戸惑っています。
いや~・・、知っていたんですね。
軍曹は「鶴見劇場を最後までかぶりつきで見たい。」というようなことを言っていますが、最後まで見たら、彼はどうするつもりなんでしょう・・?
鶴見劇場の最後の最後に、自分を登場させるつもりなんでしょうか??
軍曹が義理堅いのか、それとも、見届けたい魅力が、鶴見中尉にあるのか・・。
多分、後者でしょうね。
土方歳三、鶴見 篤四郎 。
ふたりの強烈なカリスマがぶつかり合う、今後の展開も見逃せません。
チカパシとのお別れ回は涙なしでは読めませんが、別れを告げて激励する一行には、しっかりと少尉も軍曹も描かれています。
皆の表情をよく見てあげて下さいね。
今後の展開に目が離せない『ゴールデンカムイ』。
実は、テロリストのリーダー、ソフィアも北海道に向かっています。
キロランケの趣味には毎回笑っちゃいましたが、そんな話も今は昔か・・。
10月からアニメの第三期も始まる『ゴールデンカムイ』。
22巻の発売はきっと初夏の頃ですね、楽しみです。
それではまた。