【マダムたちのルームシェア】で、どんな感想を抱く?〜やがて悲しき・・〜

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画像は、『マダムたちのルームシェア』第2巻より/seko koseko /KADOKAWA

最近、新しい漫画を見つけてしまいました。

それは、SNSでの出会い。

最近は、SNSにアップロードした漫画がバズって紙媒体になる事も多いけど、今回も、調べてみたら、SNSで更新されている漫画のよう。

たまたまタイムラインに流れてきたのですが、読んでみたら面白くて、ついつい単行本を購入してしまいました。

紙媒体はちょっと本棚を圧迫するので、珍しく電子購入。

電子で購入した理由としては、『マダムたちのルームシェア』は、SNS更新むけにカラー描かれているので、コマも大きく絵柄もすっきりしているので、スマホで読んでも疲れなかった。

それと、電子購入だと、クーポンなどが使えて安く買えることが多い、と言うのが主な理由。

気になる人は、紙コミックも電子コミックもどちらでも購入可能なので、まずは、SNSで確認してから決めてもいいと思いますよ。

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『マダムたちのルームシェア』簡単紹介

『マダムたちのルームシェア』は、文字通り、妙齢のマダム達がルームシェアをする話。

紆余曲折はあるけれど、「ひょんなことから」と言うよりは、学生時代から交流を続けていた、「あの頃女学生、今マダム」な、仲良し3人組が、歳を重ねて各々の事情が変わり、それぞれを尊重しながらルームシェアをする、地味ながらもほっこりしたエピソードや、平和だけど輝きがある日常のエピソードが描かれた、なかなかにキラキラとした漫画です。

マダム達の名前は、「沙苗(さなえ)」・「晴子(はるこ)」・「栞(しおり)」。

絵柄はすっきりしていてとても読みやすく、デザイン性が高い。

作者さんは、イラストレーターや、デザインなどを生業にしている方のようです。

3人の設定はパッと見た感じ60代後半かなと言う印象なんですが、沙苗や栞が正社員的な匂いで働いているのを見るに、50代の後半なのかもしれませんね。

(いやしかし、今時の50代後半は、もっと若いだろうという気持ちもあるが・・)

晴子は専業主婦っぽく、あってもパートという感じ。

息子夫婦から、同居の申し出があったくらいだから、多分専業主婦だったのでしょう。

沙苗はバリバリ正社員の描写が多く、栞も働いているけど、立ち位置はちょっと謎。

この作品は、第二の人生どころか、第三、第四の人生をこれから生きるマダム達が繰り広げる、地味なんだけど、昔の友達がそこにいるからこそできるアレコレを楽しんだり、これからの人生を気のおけない友人達とラストまで謳歌するような物語が描かれています。

何気ない日常の中にある、ほっこりしたエピソードやキラっとした宝石のようなエピソードが散りばめられ

私もあんな風に歳をとりたい

とか

アップロードした画像

元気が出た

などの声が相次ぎ、色々なメディアにも取り上げられて大絶賛。

いやぁ、やっぱり、女友達っていいよね・・。

という感じです。

実際この漫画で描かれるマダム達は人生を経験してきた人達。

で、相手に対する、近いようでズカズカとテリトリーに侵入しない距離の取り方や、突っ込みながらも決してマウントを取らない受け答えなど、争いが起きにくいコミュニケーションの取り方には一見の価値があり、今後の人生でも役立ちそうだし、読んでいる人間にもたらす安心感と言ったらありません。

相手を尊重しながら大事に思う心は、マダムにならないとできる芸ではないのかも・・??

とも思うし、争いの種すら見えないストーリー展開は、心の平穏と泉だし、眩しさもあります。

ただし、リアルマダムの私には、面白く読みながらも、一抹の寂しさを感じさせられる漫画でもあります。

『マダムたちのルームシェア』は、読む人の年齢などで大きく印象が違う漫画

さて、『マダムたちのルームシェア』。

多分、若い子達からは、「こんなふうに歳をとりたい」とか、「将来はこんな風に楽しく過ごしたい」などの前向き&憧れな感想が相次いでいそうですが、リアルマダムの私の感想はちょっと違う。

とても素敵な漫画で、私も購入してしまうほど好きな漫画でもありますが、結局、老いは怖いし、寂しい。

それと、状況が一致した女友達とのルームシェアなんて難しい話で、争いもないなんて実際はおとぎ話で、それも分かっている。

漫画の中では、「老いが怖い」という部分は僅かにしか描かれていないけど、寂しさが募るお互いを、支え合っている雰囲気がじわりと伝わる。

これからの人生を下っていかなきゃいけないことが分かっている世代にとっては、小さな楽しいことは本当に宝物で、それが今後何回やってくるのかを考えると、怖くなる。

この歳になると、ルームシェアをしたら楽しかっただろうなという女友達も、既にこの世にいないことだってある。

ちょっと話は変わりますが、先日、まさにこの漫画に出てくるような女友達と数年ぶりの女子会があったのですが、若い頃の話や近況報告などで、ひとしきり盛り上がる。

そして、その後に続く、相続の話や病気の話、親戚の話や、亡くなった人の話と老いの話。

こういう時は、やっぱり

やっぱり、人生で今日が一番若いんだから、今できることをしないと、後悔のまま死んじゃうよ!

という事になるのですが、その話の流れで、また別の友人が、老いについてこう語ったんですよ。

アップロードした画像友人2

みんな、『あんな風に歳を取りたい』って言って、夏木マリとか桃井かおりを目指すじゃない??

でも、実際にはあんなの無理でしょ??

って・・。

そうなんです。

無理ではないし、いいところまで行けるけど、実際それは、やっぱり無理。

精一杯輝いているけど、夏木マリにも、桃井かおりにもなれはしない。

まぁ、別物のかっこいいマダムにはなれると思うけど・・。

そう。

この漫画を読むには、私達の世代は、リアルすぎる。

素敵なエピソードも多く、人間関係のお手本にもなり得る『マダムたちのルームシェア』は、若い子にはバイブルだけど、私たちにとっては、エピソードの中に絶妙に隠された寂しさが刺してくる、凶器でもあるのだ。

さて、この記事を読んでくださったあなたは、この漫画にどのような感想を抱くのか。

キラキラ光りながらも老いを認め、楽しいイベントを分かち合う元少女達のストーリーは、まだまだ続く。

気になる人は、sekoさんのSNSから、いくつかストーリーを読むことができます。

紙コミックはKADOKAWAから出版されているので、電子なら「BOOK Walker」がいいかもしれませんね。

私はeBookJapanで買ったんだけど。

コミックを購入すると、描き下ろしのエピソードも読めますよ。

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それではまた。