2019年末に発売された『ゴールデンカムイ』20巻。
19巻ではやっとアシリパと杉元が再会します。
今日は、20巻のあらすじと感想です。
私の感想は、こんな感じです!
『ゴールデンカムイ』20巻感想とあらすじ
全てを思い出したアシリパ。
非業の死を遂げたキロランケ。
傷を負った月島軍曹。
アシリパにより片目に傷を負い、瀕死の状態の尾形。
ずっとアシリパを守ってきた白石(白石いいとこあるね)に、不死身の杉元と鯉登少尉が加わり、一行は樺太から北海道を目指します。
19巻で思いがけずに尾形の片目を射抜いてしまったアシリパは、尾形の死に加担してしまうかもしれない恐怖と罪悪感を抱えているが、そんな事をさせまいと、杉元は必死で尾形を助けようとしています。
20巻では、途中に第七師団の登別でのエピソードなどが入り、話の流れは一旦小康状態。
硫黄山から流れてきた土方軍のスパイ、都丹庵士が再登場します。
彼らは、土方歳三に第七師団の動向を流すため、保養地に指定されていた登別温泉に潜伏していたのです。
都丹庵士は、生かされていますが、入墨人皮の一人。
入墨に気づいた第七師団、鶴見中尉にいい手土産ができたと都丹を狙いますが・・。
都丹達と鶴見軍の死闘。
暗闇の中での2転3転はハラハラしましたが、都丹の最期はかっこよかったですね。
しかし、エピソードはありますが、20巻のメインは、「尾形の脱走」と「鯉登少尉の過去」です。
病衣1枚で馬に乗って脱走する尾形は「ウケる」の一言に尽きるのですが、さすが作者野田サトルのセンスが光るという感じです。
尾形の脱走についてはかなり前からネタバレを食らっていたので、さしたる驚きはなかったのですが、これはみな話題にするでしょ~!!という、見事な引きでした。
鯉登少尉の子供時代だけは、恵まれたものであってほしかったという気持ち
さて、20巻のメイン。
エピソードとしては少ないページ数でありながらも、衝撃の鯉登少尉の少年時代。
鯉登少年には、何でもできる、年の離れたおだやかな兄がいたのですが、その兄は戦死してしまいます。
慕っていながらも、どこか兄にコンプレックスを抱えていた少尉は、自分は兄より劣っているという気持ちと、兄のように優秀ではない自分にもどかしさを抱え、少年時代は暴れん坊。
父上とも上手くいってなかったようですね。
余り父親から愛されていないと、勝手に思い込んでいたようです。
出来のいい兄に、あまり出来のよくない弟。
ありがちな構図です。
父親とうまくいっていないということも・・。
上の子の出来がいいと、下の子はコンプレックスを持ちがちで、自分は愛されていないと思って、ひねくれてしまう事もしばしば。
何となく、鯉登少尉だけは、恵まれた少年時代で明るく大切に育った人であってほしかったなと思っていたのですが・・。
(とは言え、鯉登少尉が恵まれてる環境だという事は変わらず、鶴見派の中ではダントツに親に愛されている子と言う事で間違いないでしょう。)
そんな鯉登少年に、鶴見中尉は狡猾な手口で偶然を装い、ご丁寧に2回に分けてコンタクトを試みます。
鯉登少尉は鶴見中尉の熱烈なファンですが、20巻では、なぜそこまで鶴見中尉に対して、鯉登少尉が盲目的なのか、いかに鶴見中尉が人心掌握に長けていたのかが明らかになっています。
中尉は、月島軍曹も同じようなやり方で自分の忠実な僕としましたが、もう、本当に・・、「鶴見中尉・・、悪い人だね・・。」という感想が出るばかりです。
忠実な犬は、ただの憧れや人望だけでは作れないんでしょう。
それにしても、人の気持ちにつけこむ鶴見中尉のやり方には、脱帽せざるを得ません。
1回目は「自分を理解してくれる数少ない人間としての漠然とした憧れ」の存在として鶴見中尉の存在を植え付け、2回目は「命の恩人」として、その存在を絶対的なものとするなんて、周到すぎます。
尾形百之助を以って「人たらし」と、言わしめる鶴見中尉。
「ゴールデンカムイ」はいつ読んでもとても面白いのですが、この先まだ過去が明らかになる人がいるんでしょうか??
もう一人、宇佐美という、鶴見中尉の盲目的なファンがいるんですが、この人の過去とか・・、見たくありませんねw。
網走監獄から樺太へ渡り、再び北海道を目指す杉元達。
登場人物も増えて、舞台が変わることも多く、本誌を読まない私は、コミックが出ると話を整理するのに一苦労。
今回は記事にするので、またしても1巻から読んでしまった。
途中、本編にはあまり関係ないエピソードも入りやっぱりとても面白かった。
だけど、この漫画はアニメにできないような話もいっぱいあるからね。
原作も読んで欲しい。
現に、アニメでは端折られてるエピソードもいくつかありました。
第3期がどのようになるのか期待もありますが、ちょっぴり不安もあります。
音楽も大事だから、主題歌も頑張って欲しいな。
それではまた。