『海街diary』を読み返しました
久しぶりに吉田秋生の『海街diary』を読み返しました。
とてもよかったです。
4姉妹が織りなす日常が、鎌倉という小さい街の雰囲気と合わさって、とてもいいんですよ。
吉田秋生という人は、『バナナフィッシュ』や『YASHA(夜叉)』、『吉祥天女』のようなハードでボイルドなサスペンスを描いたと思えば、思春期特有の揺れやデリケートな心の機微を表現する繊細なストーリーも描いたりして、不思議な人なんですよね。
すごい昔の漫画だけど、『河よりも長くゆるやかに』とか、面白かったなあ。
『櫻の園』などの繊細な漫画は短めのものが多いのですが、『海街diary』は9巻まで続きました。
映画にもなっていますが、私は原作主義者なので、実写は見ていないんですよね・・。
キャストは、綾瀬はるかに長澤まさみ、夏帆に広瀬すずと、美しすぎる姉妹だった事覚えています。
映画のサイトでは、「4人が本当の家族となっていく1年間の物語」とキャッチコピーされてますが、原作では4女のすずが中学を卒業するまでの3年間が描かれており、4人は漫画の序盤から既にちゃんと家族です。
事情があって腹違いの妹を引き取るところから話が始まるので、すずがメインのストーリーかと思いきや、本当は違うんですよ。
この物語は、そこに住む人々の人間模様であり、人生であり、3人の姉たちの物語であります。
甘酸っぱい青春のいちページを切り取った作品ではなく、大人の事情やワケありな部分がしっかり描かれているんですよ。
子供では理解できずに憤ってしまうような刺激的な設定でも、大人には「あるよね」と思わせるエピソードや心情風景、しがらみ。
これらの要素が絹のように折り重なり、大人にも十分読み込めるリアリティに溢れた珠玉の作品に仕上がっています。
しかもね、吉田秋生はツッコミやギャグのセンスがとてもいいんだわ。
そんな訳で、今日は『海街diary』の「山猫亭」というカフェで出される「しらすトースト」で、ゆったりランチしたいと思います。
相模湾の名物「シラス」。
山猫亭の主人は「今は禁漁期間だけど、漁期になったら鎌倉のシラスを使うからまたおいで、全然違うから。(意訳)」と言っています。
全然違うって・・・・、どれくらいか食べてみたいですね。
でも、ここじゃ手に入らないから、せめて気持ちだけでも味わってみましょう。
『海街diary』しらすトーストレシピ
しらすトースト食パン1斤分
★ 食パン
6枚切り1斤または4枚切り(おススメは4枚切り)
★ 釜揚げシラス
80g(お好みで増やしてください)
★ バター・オリーブオイル(オリーブオイルは無くても可)
適量
★ 海苔
適量
★ とろけるチーズ
お好みで(原作では使用せず)
レシピを書いていますが、しらすトーストは、トーストにシラスと海苔を乗せただけのシンプルなもの。
決め手のソースや秘伝のタレ的なものは全く描写されていません。
それだけ鎌倉のシラスが美味しいって事なんでしょうけど、シンプルなシラスの塩気と海苔が、トーストに合うんですよ。
カロリーが気になる人はバターを避けがちですが、今日は必ず塗りましょう。
「バターとしらすと海苔、このコラボがサイコー!」らしいので、外してはなりません。
食パンは、どっしりした4枚切りが最高ですが、今日は6枚切りしかなかった・・。
しかもコンビニのやつ・・。
いい食パンがあるなら、それもよしです。
シラスは本気で盛ると結構高いので今日はこの量ですが、増やしても大丈夫です。
原作の様子はこんな感じ。
しらすトーストを作る
てなわけで、まずは食パンにバターを塗ります。
決め手はバター!
思い切って塗る!
バターが固いと塗りにくいので、室温に戻しておくか、レンジで10秒ほど温めて柔らかくしましょう。
焼いたトーストにバターを塗ってシラスをトッピングというのも考えたのですが、シラスは、焼いていくうちに香ばしい香りを放ち風味が増すので、是非一緒にトーストしてみて下さい。
トッピングOK!
バターを塗った食パンに、シラスと海苔をトッピングして、トースターで5分程焼きます。
シラスは先にオリーブオイルで和えておくと、更に風味や旨味が増すようですよ。
私は忘れましたが、なくても美味しかったです。
でもきっと、このひと手間が味の明暗を分けるかもしれない・・。
オリーブオイルは抗酸化力もあり、美容効果も抜群なので、次回は必ず使おうと思ってます!
チーズはお好みで!
チーズは万能!
でも、シンプルなチーズなしも試してみてね。
しらすトーストはこれで焼けば出来上がりなんですが、今日はチーズ入りも試してみます。
しらすピザというのもありますし、魚のカルシウムは乳製品と摂取すると吸収がいいとか聞いたことあります。
出来上がり!!
できました!
チーズ入りとチーズなし!
原作では、これにジンジャーミルクティーが出てきますが、今日は普通の紅茶。
ジンジャーミルクティーは、すずのお母さんが健在だったころ淹れてくれた思い出の味。
子供の頃は苦かったけど、中学生になった今は美味しく感じるようになったと・・。
原作では山盛りのシラスですが、これ位でも充分味を感じます。
チーズトッピングもとても美味しくておススメ。
焼けたシラスの香ばしさと海苔の風味がマッチしていて、繊細な塩気と海の香りが和と洋を繋ぐ絶妙なコラボです。
バター・しらす・海苔、どれも外してはいけない・・・。
『海街diary』としらすトースト。果たしてしらすは生しらすなのか?
しらすトーストは、いつものトーストとは全く違う味わいで最高に美味しかった。
原作では、すずが鎌倉で知り合ったであろう両親の事を思い出す、わりと重要かつセンチメンタルな場面で使われるのですが、彼女はそんな色々な事はもういいと思うくらいにこの街に包まれて成長していきます。
すずの母親は不倫で、結果的に上の3人の姉から父親を奪う形で一緒になったのですが、それを負に思う気持ちも消化される時が来たんですね。
その辺は是非、コミックを読んで欲しいと思います。
ところで、鎌倉や江の島の名物「シラス」は、漁期になると生しらすとしても食堂にお目見えします。
生しらすは、プチプチしていて苦みが無くとても美味しいんですよ。
生の小魚って、苦みがありそうでしょ?
でも、全然苦くないの。
で、山猫亭のしらすトーストは生しらすを使っているのかな?と思ったのですが(生しらす自体は、禁漁期でもほかの地域のものが手に入る)あれって、全く日持ちがしないんですよ。
だから、きっと山猫亭のしらすトーストも、釜揚げを使ってるんじゃないかな?と思います。
『海街diary』に出てくる「山猫亭」は、モデルになったお店があるようですね。
鎌倉駅から割と近いです。
漁がある日は生しらすも食べる事ができるようです。
『海街diary』の聖地巡礼をする際には、立ち寄ってみるのもいいかもしれませんね。
この辺は、スラムダンクや青春ブタ野郎などの舞台にもなっていて、江ノ電沿線、特に七里ガ浜や鎌倉高校前、稲村ケ崎などは未だにかなりの賑わいです。
紡木たくの漫画にも、度々登場していました。
夏はギラギラしていて、秋から冬はノスタルジックな鎌倉。
そんな事を想像しながら、週末のランチはしらすトーストを作ってみて下さい。
美味しさは、保証付き。
それではまた。