「ゴールデンカムイ」第25巻が発売されました!
表紙は海賊房太郎。
彼は登場したばっかりで、刺青を持っている1人ですが、24巻から杉元達と一緒に行動しています。
サラサラのロングヘアーで妖艶な雰囲気。
聞きにくい事もズバッと聞いてきたりして、読み手の気持ちをかき乱してきますね。
海賊は、フレンドリーながらもなんだかとても危険な香りがするんですが、25巻でも冒頭に白石とのちょっとハラハラするようなやり取りがあります。
『ゴールデンカムイ』25巻は、全ての役者が札幌へ向かう
『ゴールデンカムイ』25巻。
冒頭は、杉元とアシリパさんの簡単なやり取りとエピソード、道中記という所。
で、舞台は札幌へ。
そう、今札幌には、刺青人皮の上エ地と切り裂き魔が潜伏していて、それを追って土方組と鶴見組が集結しかけているのです。
杉元とアシリパさん達もそこへ。
全ての役者が揃った札幌。
なんと、小樽にはソフィアも来ています。
この巻では、小樽でキロランケを撃った月島軍曹とアシリパを追って樺太から上陸したソフィアとのニアミスもありますが、取り敢えずソフィアの出番はここまでで、メインのストーリーに入ります。
ソフィアとのやり取りは、26巻以降になりそうですね。
そんな中、本物とニセモノが混じった刺青を見て、アシリパさんは自分が予想していた暗号と違うかもしれないと、不安を感じています。
以前、二重スパイを課せられた可哀想な有古が、鶴見中尉から持たされた刺青人皮。
全て偽物と思われましたが、中尉は狡猾にも、本物を混ぜていたんですね。
その辺は土方歳三も織り込み済みだと思いますが、アシリパさんは戸惑いを隠せません。
という所で、『ゴールデンカムイ』25巻の簡単なあらすじ。
多数の人間が交差する25巻は、文章にするとちょっと忙しい。
子供を連続して殺めている上エ地。
札幌の外れでまたしても幼い男の子を連れ出した所で、牛山様登場。
待ってました牛山様!
久々の登場と活躍で、テンションはMAX。
そのまま、逃げる上エ地を追いかけ回し、大立ち回りを始めた所で、土方組と杉元一向が鉢合わせます。
緊迫した雰囲気と乱闘。
ドサクサに紛れ、ここで一旦上エ地は退場。
ストーリーは切り裂きジャック探しに切り替わります・・。
網走に収容されていた彼ですが、身元は不明で、マイケルという名前で通っていましたが、それも多分偽名。
もしかしたら、彼はロンドンで実際に切り裂き事件を起こし、ロンドン中を恐怖に陥れた切り裂きジャック本人。
若い頃に事件を起こしたジャックが、日本に流れて同じ事件を起こし、当時を再現しているのではないかと一向は予想。
ジャックが娼婦ばかりを狙っている事から、一行は近隣の私娼窟で聞き込みをし、次の犯行現場と思われるサッポロビール園で張り込みます。
実は、この情報を持ってきたのは石川啄木。
石川は、同じように犯行現場を調査していた宇佐美達に見つかりますが、命からがら逃げ出して、土方歳三に情報を持ってきました。
史実では意外とロクでもない人生を送った感じの石川啄木ですが、新聞記者という情報力や立場を利用して、物語に大きなヒントをもたらしました。
石川啄木、何のために出てきてたのかと思ったけど、こういう事なのね。
で、サッポロビール園付近で張り込んだ一向が、ジャックや宇佐美と相見えた所で、25巻終了です。
打ち上げられた花火の効果と、面々の仕草や表情。
数ページにわたって表現されたこの「間」の表現が、とても秀逸で素晴らしかったです。
それにしても、花火の下、和泉守を携えた土方さんが飛び出す場面はかっこよかったし、不敵な感じで「祭りかな?」と呟く中尉の言葉選びも秀逸。
子供時代の歪んだを思い出がフラッシュバックする上エ地がここで再登場し、ラストの1話はすごく情緒的な表現が多く、全くこの漫画、毎巻毎巻ヒキのセンスが良すぎるのですが、ラストの1ページは、いつも通りの杉元とアシリパさんの登場で、情緒的な雰囲気が一変し、期待値マックスのワクワクに変わります。
たった1ページで読者の心を切り替えて、勢いをつけて次の巻とか、野田サトル、天才かな?
『ゴールデンカムイ』25巻は、牛山様がとにかくカッコいいのでおススメ!
『ゴールデンカムイ』25巻はこんな感じで、恐らく上エ地とジャックザリッパーとの本編が始まる前段という感じですが、もう、久々の牛山様で私は狂喜乱舞でした。
アシリパさんも大喜びですよ。
網走超えてからの土方組はちょっと大人しい感じで、牛山様の活躍もあまり拝めず寂しかったのですが、札幌へ全勢力が集結し始めたドキドキ感も相まって、25巻はとにかく最高でした。
いやなんか、毎回最高とか書いてますが・・。
網走以降、実は牛山様メインの回があるにはあるのだけれど、あれはちょっと違うしな。
さて、ここまで書かなかったのですが、25巻では勇作さんと自分の父親を殺した尾形と、宇佐美の当時のやり取りが描かれます。
私は、尾形の中にはもっと歪んでドロリとした憎しみや嫉妬や妬みがあるのかと思っていたけど、もっと彼は乾ききっていた。
生い立ちや生育環境から、尾形はあまり豊かな感情が学べなかったのだけど、人間らしい喜怒哀楽や妬みや嫉妬を露にする宇佐美との対比が、それを如実に語っていましたね。
しかし、物語中では中高生の様に自問自答をし、宇佐美の口車にも乗せられるあたり、今は大人気キャラに成長し、「ニヒルな俺」みたいになっちゃっていますが、意外と尾形も育ちがよかったって事なんですかね。
尾形百之助は、今後の金塊争奪戦に乱入する臭いをさせながら、25巻再登場です。
26巻は、2021年6月18日に発売とか。
もうすぐじゃん、ドキドキする。
それではまた。