『あさドラ!』/浦沢直樹/小学館
浦沢直樹さんの描く、ヒューマン&SF漫画『あさドラ!』第4巻が2002年8月に発売されました。
3巻の末では、相模湾沖で漁船がUMA「アレ」に遭遇しています。
さて、この続きはどうなったのか??
この漫画最大の謎の生命体「アレ」。
作中でもずっと「アレ」呼びなんですが、別に隠語とかじゃなくて、UMAを研究していた淀川教授の論文の中に、呼称として「アレ」と表記されていたので、皆さん「アレ」と呼んでいるらしいです。
という事で、この記事でもUMAを「アレ」と表記します。
なんだかなぁ・・。
「アレ」と聞いて、卑猥っぽい響きだと思うの、私だけじゃないよね・・。
『あさドラ!』第4巻はこんな感じ
3巻最後、相模湾沖で「アレ」に遭遇した漁船から報告を受けて動き出す政府。
こんな時に、アサの護衛兼連絡係のA倉さんの車はレッカー移動されてしまう。
おっちゃんはおっちゃんで、飛行機の倉庫に隠し撮りされた写真が落ちているのを見つけて、新聞屋に殴り込みに行きます。
隠し撮りされた写真には、アサや、飛行機のミサイルなどが映っています。
国家機密がバレたら、口封じに殺されると脅しますが、記者はカメラを持ったまま逃走。
おっちゃんはこれを追いかけて、逃走劇が始まります。
このせいで、「アレ」を確認するための飛行準備が遅れることになり、最終的にアサは学者の中井戸君と二人で飛行機を飛ばすことになります。
A倉さんのレッカー移動や、おっちゃんと新聞記者の追いかけっこ、きぬよさんのちょっとしたアクシデントが重なり、「アレ」を確認するに至る初動が全て遅くなってしまい、その間にアサの日常が進みます。
放課後まで学校にいたアサは、スカウトされた友人のヨネちゃんに赤坂まで付き添いを頼まれています。
ヨネちゃんは、友人のミヤコちゃんと一緒にアイドルデビューを狙ってたのですが、一人だけスカウトされたらしく、ミヤコちゃんには内緒にしています。
で、アサはいつも相談に乗っているのですが、いざ赤坂に行って、プロダクションの話を聞こうという時に、出撃の為実相寺が迎えに来ます。
結局、意を決して一人で赤坂に向かうヨネちゃんですが、最近の挙動を不審に思っていたミヤコちゃんに後を付けられます。
そこで、ミヤコちゃんが姿を消すという事件もあるのですが、この話は次巻以降になりそうです。
最終的に、中井戸君と偵察に行くアサは、相模湾沖で「アレ」を発見。
帰りが遅い上に、アサが迎えに行けなくなった孝七(アサの弟)を代りに迎えに行ったA倉に、「アサはどこ??!」と詰め寄るきぬよ。
事故に巻き込まれたおっちゃんに、行方不明となったミヤコ。
話はなにひとつ進まないというか、明かされないまま4巻終了です。
「あさドラ!」のメインはやっぱりヒューマンドラマ??
色々な要因が重なって、事件が沢山起きるけど、話が全く展開しない第4巻。
つまらないわけではありませんが、たくさんの人に焦点を当てて、丁寧に人物を立てていっています。
3巻の終わりに相模湾で漁船が「アレ」を発見してから、多分1~2日の展開が第4巻という感じです。
この展開の遅さというか、ストーリーの作りが、まさにNHKで毎朝やっているあのドラマ。
「アレ」の正体よりも、今やミヤコの行方や騙されているであろうヨネちゃんの今後が気になります。
それにしても、あのUMAは一体何なのか・・。
1巻の始まりが現代だったので、それも気になりますね。
淀川教授の研究はかなり進んでいたであろうことをうかがわせてきますが、研究者にありがちな字の汚さで、謎は明かされないままです。
ただ、何となく、この作品からは「健全さ」というものを感じます。
う~ん、なんだろう、不気味な所が少ないですよね。
今作は、「人」という所に重きを置いているのかなぁ??
『あさドラ!』第5巻は、2021年初春発売だそうです。
巻末には「決戦!」と書いてあったけど、ここで一旦終了かな~~~??
と思わせる4巻でした。
それではまた。