『イタズラなkiss』/多田かおる/フェアベルコミックス CLASSICO5巻表紙より
恋愛主体の漫画や、マーガレット系の漫画を読まなくなって久しいですが、先日、娘に読ませてあげようと『イタズラなkiss』を借りてきました。
・・・、すごく面白かった・・。
掲載終了からもう20年くらい経つのに、未だに面白くて輝きを放つ漫画『イタズラなkiss』。
日本以外でも映画やドラマになったけど、20年経った今でも輝きは色あせず。
現役女子高生の娘も、時代を超えて大好きになったこの漫画。
何でこの人の漫画は今読んでもこんなに面白いのだろう??
中高生の時には、キュンキュンしながら恋愛ものを読んでいたけれど、自分の人生が長くなるにつれて、甘酸っぱい恋愛ものは読まなくなった・・。
そりゃ、今でもたまに読むし、読めば面白いんだろうけど、自然とチョイスは恋愛主体のストーリーは避けるようになった。
それでも、今読んでも面白くて引き込まれて一気に読んでしまう『イタズラなkiss』。
この漫画はほんとにすごい!
そして入江君は、永遠に私の理想であり、王子様。
いや、この漫画を読んだら日本国中の女性誰もが入江君を好きになるだろう。
意地悪で優しくて、かっこよくて天才の入江直樹に、押せ押せでガッツのある、諦めが悪くて根性のある琴子。
登場人物はみな個性的。
『イタズラなkiss』』。
その名前は何となく知っているけど読んだことない方。
そんな漫画全然知らないよというあなた。
是非読んでみて下さい!!
kindle版もあります。
『イタズラなkiss』は未完の大作。あらすじ簡単に紹介します
『イタズラなkiss』は、ラブコメディで、実は未完の大作。
話も凄く盛り上がり、いよいよ終幕の段階となるのか??
という所で、作者が急逝してしまいます。
当時「別冊マーガレット」を毎月買っていた私には、到底信じられない出来事でした。
インターネットはあったけど、今ほど普及してなくて、スマホどころか携帯電話でさえも、誰もが持っているわけじゃない時代。
情報を得たくても、簡単には得る事の出来なかったこの時代。
たった1ページ。
別冊マーガレットに載った「作者急逝の為、連載を終了します。」。
その時の衝撃と言ったらありませんでした。
『イタズラなkiss』は、ドラマやアニメにもなり、作者急逝後も台湾や韓国でドラマ化もされている作品。
それだけエピソードが面白く、キャラたちに魅力があったという事です。
あらすじはこんな感じ。
ドジでおっちょこちょい、はっきり言って勉強のできない主人公「琴子」は、入学式で新入生代表の挨拶をした「入江直樹」に一目ぼれします。
入江君は、頭脳明晰(というか天才)。
加えて高身長で、高顔面偏差値。
更にスポーツ万能というおまけつき。
入江君にずっと思いを寄せていた琴子は、思い切って入江君にラブレターを渡しますが、「頭の悪い女は嫌いだ」と、けんもほろろにフラれます。
入江君、結構意地悪なんですよね。
この辺が、何て言うかこの漫画のバランスがすごくいい所なのかもしれません。
毎回ハラハラしながら読んじゃうけれど、入江君の優しい所が垣間見える所にドキッとしたり。
当時、「萌え」という文化は無かったけれど、これってそうですね、「萌え」です。
ちょっとツンデレとは違いますね。
その後、感情に素直な琴子は、むげに扱われたことに怒り、「キイイィィイ~~!」となってしまいますが、新築したばかりの自宅が火事になってしまった事で、なんと入江家のお世話になる事に・・。
入江家のお父さんと、琴子のお父さんは、大の仲良しだったのです。
更に、男子二人を育てる少女趣味のお母さんは、「娘が欲しかったの」と、琴子の事をいたくお気に入り。
まったく、このお母さん、可愛くて闇がなくてとても素敵。
そんなこんなで、根性根性ど根性の琴子は、最終的に入江君との結婚にこぎつけちゃいます。
琴子・・、尊敬するわ・・。
琴子と入江君がくっつくまでにも結構道のりがあるんですが、くっつくちょっと前に、入江君が言うんですよ、琴子に。
「苦手だけど、嫌いじゃないよ。」って。
この回、この漫画で絶対上位のキュンキュン回ですからね、絶対見て欲しい!
『イタズラなkiss』は、2人の高校生時代から、社会人になるまで続きます。
そして、結婚後。
琴子の体調がおかしいのを入江君が察して、「妊娠してるんじゃないか?」という所で、絶筆。
神様は、何てことをなさるのか・・・。
今も色あせない面白さ『イタズラなkiss』の魅力
『イタズラなkiss』。
この漫画の魅力は、なんといっても入江君でしょう。
今も昔も、入江君はずっと私の王子様。
初めは意地悪な入江君ですが、琴子の事が好きになり、琴子のよき理解者となり、サポーターとなります。
意地悪な入江君もいいけれど、頼りがいのある入江君も素敵♡←(気持ち悪い)
入江君はとっても頭がいいので、やり方がすごくスマートなんですよ。
だからと言って、〇来杉君みたいな嫌味が全くないのです。
読めば絶対誰もがメロメロ。
新しいヒーローなんて必要ない!
入江君だけで充分!!!
作者の多田かおるさるさんの漫画には、いつもカッコいい男の人が出るけれど、鼻につかなくていつも素直にかっこいい。
多分、アニメやドラマは意地悪な入江君がメインの高校時代が主なんだと思うけど(原作主義なので、あまりアニメ版とかドラマ版は見ない)両想いになった後でも、この漫画は面白い。
主人公の琴子だって、大人しくないし、浅はかで涙もろい。
感情がすぐに表に出ちゃう子だけど、憎めないし、応援しちゃう。
なんなら、自分が琴子になってしまう不思議な魅力。
女性のキャラとお気に入りの男性キャラがくっつくのが許せないという事もあってか、BLものが人気だという話も聞きますが、『イタズラなkiss』は、どういうわけか、手放しで琴子を応援しちゃう。
というか、私が琴子??という錯覚さえ起きる。
最後まで2人を見届けたかったけれど、一番無念だったのは多田かおるさん本人だったと思うので、残念な気持ちをしまっておいて、本当に、平成初期に始まったのに『イタズラなkiss』はいま読んでも面白い。
変なカバーやリライトなしに、知らない人にはぜひ読んでみて欲しい作品です。
電子書籍では立ち読みもあるので、この機会に是非というか絶対読んでみて下さい。
それではまた。