「orange(オレンジ)」7巻エモ過ぎた・・

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画像は、「orange」第7巻表紙裏より/高野苺/双葉社

こんにちは。

実は私、数年前からずっと下書きに、タイトルだけ入っている記事があるのです。

「40オーバーでもキュンとする漫画!」というのですけどね、結局、2つ位しか思い浮かばず、以後、ず~っと下書きに入れたまま。

でも、その超少ない漫画のタイトルの中に「orange」が入っているのです。

いつの頃からか、恋愛ものが面白くなくなったのに、orangeだけは、無条件で受け入れた

そういう人は多いかもしれませんが、いつの頃からか、私の漫画チョイスから、恋愛ものが外れるようになりました。

少年漫画系とか、ビジネス系、医療系やドキュメンタリー系などの漫画を好むようになり、リアリティの薄い少女漫画系は、全くと言っていいほど読まなくなったうえ、読んでもほとんど響かなくなっていました。

所が、ある日気まぐれにレンタル屋で借りた「orange」が、すごく良かった。

当時は「エモい」という表現はなかったけど、とにかくエモい。

繊細で、儚くて美しく、ストーリーがすっと心に入ってくる。

ティーンエイジャーの恋愛ものは、どうしても大人になった自分には、ちゃんちゃら可笑しかったりする部分がついて行けなかったりする。

とかく絶望しがちで感激しやすい、ホルモンバランスのなせる感情の波だとかはもう、読んでいて恥ずかしいのだ。

異世界転生並みのあり得ない設定や展開も、もう無理なんですよ。

でも、だからと言って、大人のかけひきは、これまた読んでいてもうさん臭く生臭く、揚げ足を取りたいくらいに否定的な気持ちになっちゃうし、どうやったって、一般受けする恋愛ものって、共感できなくなってしまうお年頃。

そんな感じなのに、orangeだけは違った。

一本の軸からしっかりと紡ぎだされるストーリーは、無理がなく、ブレもなく、甘酸っぱくも、哀しくて切ない。

それは、過ぎ去った青春を思い返して懐かしく思う切なさとは、全く違う感情。

新たな物語を読む時に持つ、ときめきと新鮮さを搭載した、哀しさと切なさなのだ。

『orange』のストーリーは、仄暗い絶望をベースに、それぞれの群像劇が眩しくて、美しい。

たった5巻で完結するその作品は、私にとっては芸術だった。

タイムリープ×恋愛ものという、文字で書いたら身も蓋もないくらい陳腐なジャンルの作品だけど、これほどまでに、群像劇として完成した作品にお目にかかる事ができる確率は、私程度の漫画好きでは、稀なのだ。

『orange』本編は5巻で完結しているが、番外編が7巻まである

そんな訳で、私の中ではちょっとだけ特別な作品『orange』ですが、結構前に、全5巻で完結しています。

とても重厚なストーリーなのに、5巻で完結という所も、ストーリーの展開や纏まりに一役買っているという感じですね。

で、ついこの間、本屋で7巻が発売されるという告知があり、コンプリートボックスの予約がされていました。

私は全く知らなかったのですが、漫画『orange』は、連載終了後、番外編がいくつか掲載されていて、あとがきを読む限り、今回の7巻が、最後の最後という事らしいです。

全然知らなくて、今回7巻を読みましたが、確か、orange本編は、最後、皆の所に手紙が届いて、翔を助けて、数年後、翔と菜穂が子供を連れての同窓会で幕を閉めてたような気がします。

最終回って、ページ数だとか他作品の兼ね合いとかで、色々と難しいのは分かっているのだけれど、ちょっとだけ急ぎ足だったなという記憶なんですが、7巻は、翔が助かった後、未来が変わった、その後の高校生活~大学生活までが丁寧に描かれています。

多分、作者の高野苺さんの脳内では出来上がっていたものの、ディレクターズカットされていたものなのかもしれないですね。

そして、7巻も、本編同様、エモいです。

翔の人生はもう救われているけれど、周囲の人間の気持ちが細やかに描かれ、コメディータッチな部分もしっかり入っている。

微笑ましくも、これまたきゅんとしてしまう展開に、40オーバーの私も、心が洗われ、サウナに行かずとも整ってしまうカタルシス。

『orange』は、5巻で完結してから、6巻が出ていた事も知らなかったけど、これは、絶対に6巻も読まなければいけない。

『orange』の番外編は、とても良く出来たストーリーの、若干消化不良だった部分を補填すべく作られています。

誰もが納得するエンディングを、是非その目で見届けて下さい。

老若男女、自分にまだこんなに清らかな心があると、再認識し、自己肯定感もアップする『orange』。

ああ、早く6巻読まなきゃ!!

読んでないんだよこれが。

それではまた。