『The Kings Man(キングスマン:ファーストエージェント)』感想【え、これがキングスマン?】

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写真は、『キングスマン:ファーストエージェント』劇場ポスターより

『キングスマン:ファーストエージェント』を観てきました。

とても面白かったです!

この物語は、映画『キングスマン』の前日譚。

国家から独立したエージェント、キングスマンが創立するまでの物語は、ハイテクなし、ド派手なアクションなし(派手なアクションは多少ある)、軽快な音楽なし、エロほぼなし、イカレたキャラもほぼ皆無(CMに使われている約1人くらいか?)。

泥臭いアクションとアナログな通信手段、そして、ヒューマンドラマと古き良きハリウッド映画を踏襲した演出。

およそ歴代のキングスマンに似つかわしくない映像で、視聴者は戸惑うばかり。

これは・・、ほんとに『キングスマン』なの???

でも、私はこの作品がキングスマンでは2番目に好き。

『キングスマン:ファーストエージェント』超簡単あらすじ

帝政ロシアに第一次世界大戦、それから、泥沼の大戦に至るまでの史実を交え、脚色された歴史上の人物と共に、壮大なフィクションが繰り広げられる、『キングスマン:ファーストエージェント』。

これはもはや、大河ドラマ。

歴戦の立役者、オックスフォード公と、聖人君子のその息子、コンラッドは、不穏な世界の空気を察知し、ロシアへ向かいます。

ロシアが戦いから手を引いてしまえば、後ろから狙う国がいなくなり、ドイツがイギリスになだれ込んでくるためです。

2人は、元凶とされる、ロシアの皇帝を操るラスプーチンを暗殺し、ドイツがイギリスに戦いを仕掛ける事を阻止しようとしますが・・。

映画『キングスマン:ファーストエージェント』プログラム表紙の写真
映画『キングスマン:ファーストエージェント』プログラム表紙の写真

これまでのシリーズは、古の007を彷彿とさせつつも、際立つド派手なアクションや、軽快な音楽と共に人が蟻のように駆除されるクレイジーな殺戮演出が特徴的で、現代にふさわしいイカレッぷりと独善的な敵役が同情の余地もなく、ハイテクノロジーを駆使したフィクション中のフィクションでした。

現実とも仮想ともとれる武器や銃器に医療技術と、繰り広げられる世界に目を見張るばかりでしたが、今作は、全く違う作品となっていました。

1902年のボーア戦争から、帝政ロシアの崩壊、第一次世界大戦までを描いた今作品は、アナログで、人力。

時代の裏側に隠されていたかもしれない史実とフィクションを交え、結構重めの作品となっています。

それでも、2作目には吹き飛ばされちゃったお屋敷をまた見る事ができたり、今も昔も変わらぬ佇まいを見せるロンドンの街やテーラーキングスマンはちょっとしたサプライズというか喜びだし、登場するスーツや小物も上質で、映像だけでも見てよかったと満足。

途中、『私はプライベートライアンを見ているのか??』という映像や、往年の『インディジョーンズ』を思い出させる演出もチラホラ。

ていうか、インディとキングスマン、厳密にはインディの方がちょっと後だけど、時代設定が同じくらいなんですよね。

いや、そもそも、主人公のレイフ・ファインズとハリソン・フォードの声も似てるのよ。

それはそれとして、物語のラストには、この時代を語るのに外すわけにはいかないあの人も出てきます。

エンドクレジットが始まっても、決して席をお立ちにならぬよう。

これは、マーベルスタジオではよくやる伏線なのですが、これをやるってことは、次のシリーズは第二次大戦??

もうハイテクには飽き飽きしているとか、ネタ切れとか、キングスマン、現代につながるまで、今後は暫くアナログ路線のドキュメンタリー調で繋いでいくんだろうか・・・。

およそスタイリッシュとは程遠い作品となりましたが、ヒューマンドラマに重きを置き、質感にもこだわったその世界は、制作側が大事に作ったのであろう気概が伝わってきます。

エロはほぼなしなので、親子で見ても大丈夫だと思うけど、義務教育卒業程度の近代史は、知っておいた方が絶対面白いので、これから見る人は、ロシア革命あたりをおさらいしてから行ってみましょう。

わたしゃビックリしたよ、もう。

とにかく、面白いけど、キングスマンだと思って行くと全く違う映画だし、予告編とも全く違う作りなので、期待しつつも、心して見て下さいね。

マジで予告編の世界のつもりで行くとえぐられるから。

陰謀か?!

娯楽映画なのに、意外なメッセージを突きつける『キングスマン:ファーストエージェント』。

コンラッドが軍隊に入りたがるシーンとか、終戦記念日によくある映像の様で、寒気がしました。

おじさんが大活躍というのは、シリーズ通して変わらないけど。

それではまた。