【『重版出来15巻』】あらすじと感想

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『重版出来!』待望の15巻が発売となりました。

14巻ではメンタルに支障をきたし、休載となってしまった中田君。

それに伴って、担当者が心ちゃんから和田編集長に変更になっています。

後半では河さんの門出やアユちゃんの卒業・入学と明るい話題もありましたが、和田編集長の異動でヒキとなっていました。

編集長、異動しちゃうんですね・・。

後任の名前を聞いて、嫌な顔する編集者たち・・。

15巻のお話はここから始まります。

新しい編集長と悩む漫画家。15巻はちょっとしょっぱい

『重版出来!』15巻は、個人的にはちょっとしょっぱく、皆が悩んでいるなぁという印象を受けました。

今までは新しいことばかりの社会人生活をガッツでこなしてきた心ちゃんですが、経験を重ねるにつれて壁にあたるようになってきています。

何もかもが目新しくドキドキしていた時期は終了し、編集者として成長していかなければならない時期でもあり、漫画家の人生も背負っていかなければなりません。

寄り添うだけでは、ダメなんですね。

社会人になって初めての人事異動で、直属の上司が変わるという経験もします。

上司が変わると仕事のやり方がガラッと変わったりして大変なんだよね~・・。

今まではかなり恵まれていた環境でしたが、そうは問屋が卸さない。

今度異動してくる編集長は、興都館きっての切れ者のようですが、評判はすこぶる悪く、昔一緒に仕事をしたこともある壬生君は、大分パワハラに遭ったようです。

休載が続く中田君や、新しく担当となった漫画家武見氏とのやり取りなど、正直中盤展開がダルいかなという部分がありましたが、武見氏がちょっとデリケートな人だったので、仕方ないかなという感じです。

それでは事項、15巻のあらすじを詳しく書きたいと思います。

ネタバレあります。

『重版出来!』15巻あらすじ

「バイブス」の新編集長は、少年誌「バンプ」から移ってきた相川京一。

7年前にはバイブスで編集もしていたようです。

その時壬生君は大分いじめられて、この人事ですっごくブルーになっています。

とはいえ、相川編集長は興都館きってのキレもの。

打ち切り寸前の漫画を続けさせ、今や初版100万部を出す大人気連載に育て上げた人でもあり、漫画のセンスや商才などもある人のようです。

ただし、編集部内での仕事のやり方は、ネチネチとしていて嫌な感じ。

そんな相川は、「バンプ」時代に担当した漫画家に、バイブスで描かせようと声をかけています。

そう、打ち切り寸前の所から100万部作家に育てた例の作家「武見創太」にです。

武見の方も、相川編集長には育ててもらった恩があります。

でも、それよりも、新しい自分を試したいという気持ちの方が強いようで、今度は青年誌で描いてみたいという気持ちも強い。

しかも、彼は結構コンプレックスがあり、新人作家たちの事がとても気になる様子。

特に中田君には敵意ともとれる意識の仕方で、バイブスで連載するならピーヴの担当者をつけて欲しいと相川に要求します。

武見と心ちゃんの深まる溝と新編集長

武見創太の担当となった心ちゃんですが、青年誌での連載だからと力み過ぎている武見とリズムが合いません。

そんな様子を見て、なぜか新編集長の相川は満足そう。

彼は、いずれ心ちゃんが音を上げるか、武見の方から担当を自分に変えて欲しいと言い出す事を計算しているようです。

相川は、自分なしでは漫画が描けないように仕向けているのです。

相川と比べて心ちゃんを信用できない武見は、次回から打ち合わせには相川を同席させるよう要求します。

武見創太はすっかり相川の操り人形。

ショックを隠せない心ちゃんですが、相川がいったいどんな仕事をするのかも見てみたいと思っています。

さすが心ちゃん。

こんなに凹むことを言い渡されても、『どんな仕事するのか見たい』なんて・・・。

一方、休載中の中田君は、漫画を描きたくて仕方ありません。

担当は、和田編集長の異動と共に五百旗頭さんに変わっています。

書き溜めたネームの山を持って、漫画を描けない辛さを五百旗頭さんに訴えます。

自分の感情を漫画で吐き出さないと、自分を保っていられないというか、辛くて辛くて苦しいそうです。

変わる潮目と、相川の失脚

相変わらずパワハラでワンマンな相川編集長は、バイブスでも反感を買っています。

だけど、その仕事ぶりは超優秀。

自分の意のままに武見を操る相川の仕事ぶりを見て舌を巻く心ちゃんですが、そのやり方には違和感も大きいようです。

それは、漫画家の武見も同じ。

あることがきっかけで、相川に不信感を持つようになります。

ただ、相川編集長の人心掌握術や話術には、私もびっくりしました。

相川すげぇ・・。

そんな中、高畑一寸を交えて武見創太と心ちゃんとで食事会が催されます。

心ちゃんから武見の様子を聞いた高畑先生が、一席を設けてくれたのです。

昔々、武見は高畑一寸のアシスタントをしていた過去があります。

その食事会で、武見のモヤモヤをあっさりと晴らす高畑一寸。

他人と比べて劣等感を抱いていたり、青年誌でもやれるんじゃないかと自分を試したい気持ちと新しい自分のはざまで空回りしていた武見に、高畑はこんな事を言い放ちます。

さすが高畑先生。

かくいう高畑一寸も、デビュー作がそのまま人気連載となり、『ツノひめさま』しか描いてこなかった自分に、ちょっとだけ疑問を感じていた時期があります。

(2巻参照)

そして、そんな時に引き抜きの話が来ています。

結局、その話は高畑自身で消化して、これからもツノひめ1本でやっていくことに決めたわけですが、その時の経験が、今の自分の糧になっていると話します。

更に、武見氏になげかけるこんな言葉。

高畑一寸、かっこよすぎるよ!

「お前はお前の山を登れ。」

くはっ!

かっこいい~~~!!

この食事をきっかけに、武見は前に進み始めます。

同じくして中田君も、少しずつ自分を取り戻し始めます。

しかし、相川編集長は相変わらず。

武見の新しいネームにも、自分の企画したものでないとスタートさせないとダメ出しをします。

またひとつ問題が・・。

といったところで何と、相川は横領で退職となります。

えっっ???

相川が横領というか、会社の経費を私的に使用していたことは、15巻前半から匂わせていましたが、ここで退場とは・・・。

結局、玉突き人事により、バイブスの編集長は五百旗頭さんにとなります。

本当は2番手の安井さんが候補だったんですが、安井さんは『FLOW』を今すごく大事にしたいそうです。

若き日の後悔の印である『FLOW』は、一時相川と似た仕事をしていた安井さんを、元の編集者に戻したようです。

そんなこんなで、中田君は連載再開に向けて一歩前進。

『ピーヴ遷移』のヒロインのモデル、アユちゃんとも再会できて、新たな感情を吹き込まれました。

心ちゃんも、相川元編集長のやり方には納得してないけれど、その仕事ぶりは尊敬していて、自分も精進したいと一歩前進。

最後の最後はちょっとだけ相川の過去やコンプレックスも明らかになり、15巻、少しだけしょっぱいラストとなっています。

次巻は五百旗頭さんが編集長です。

五百旗頭さんは五百旗頭さんで厳しいですからね、次はどんなエピソードが出るかドキドキです。

それではまた。

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