恐らく、2019年一番売れたコミック「鬼滅の刃」。
4月から放送されたアニメで一気に人気に火が付き、原作コミックはどこも異例の品切れ状態。
アニメが始まった頃位は、週刊少年ジャンプでもそこまで人気のある連載ではありませんでした。
面白いけど、絵柄や作風が読者を選ぶという感じとでも言いましょうか・・。
それが突然、火を噴いたような爆売れコンテンツとなり、2019年下半期怒涛の追撃で、とうとう売り上げナンバーワンとなりました。
紙漫画の売り上げが軒並み落ちる中、18巻は初版で100万部だそうです。
だって・・、アニメの出来が良すぎましたよ。
原作は勿論面白いのですが、アニメはもっとすごかった・・。
声優陣の熱演に、作画、曲・・。
全てにおいてパーフェクト。
蜘蛛の鬼「累(るい)」との闘いなんて、迫力の映像やエフェクトのすごさ、禰豆子の血鬼術で涙なしには見られませんでした。
と、いう事で、一気に人気作家となった「吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)」さんですが、デビュー当時に描いていた短編が編纂され、短編集として発売されました。
今日は、その感想です。
すごく面白かったですよ!!
『鬼滅の刃』は連載回数が進み、作者の画力も上がり作品からもメジャー感が漂い始めていますが、短編集の方は鬼滅の刃初期の雰囲気が強く、『ああ。やっぱりこの人はこういう作風なんだな』と感じます。
すごく光る所があるのに絵がそんなに上手くなかったことや、作風がジャンプ向きでない事などが、人気に火が付きにくかったり、連載にこぎつけるまでに時間がかかる所だったのかなぁと、勝手に推測。
吾峠呼世晴短編集には、4話の漫画が収録されてます。
『吾峠呼世晴短編集』には、短めの話が4話収録されています。
後の『鬼滅の刃』になる作品「過狩り狩り」は、第一話。
2013年のJUMPトレジャー新人漫画賞の佳作を受賞しています。
作者曰く、「担当さんがつく前の作品で、第三者の意見が無かった(ので、分かりにくくて申し訳ない)。」だそうですが、主人公は炭治郎ではありません!
ネタバレは避けたいので詳細は伏せますが、鬼滅の初期の世界観で、アンダーグラウンドさを醸し出す、少し年齢層が高めな作品。
鬼滅の刃の初期もそうでしたが、この方の漫画は全体的に不思議な感じで、少年誌向けではないんですよね。
短編集でも魅力的なキャラクターが沢山出ますが、ルフィや緑谷のような分かりやすい性格の人達ではなく、万人受けするタイプではないんですよ。
でも、短編集は、短い話の中に面白さが凝縮しているので、興味のある人は絶対に一度読んでみるべきです!
吾峠呼世晴短編集その他の作品
「吾峠呼世晴短編集」、その他の作品は「文殊史郎兄弟」に「肋骨さん」「蝿庭のジグザグ」。
後になっていくにつれて新しい作品になり「蝿庭のジグザグ」は、2015年の作品。
『鬼滅の刃』が2016年に始まってますから連載直前という感じですが、正直「蝿庭のジグザグ」の方が絵がきれいだなと思います。
このまま、「 Cocohana 」などでも連載してしまいそうな絵柄ですが、連載用にネームを書いていたけれどコンペで落ち続け、読み切りとなった作品らしいです。
「文殊史郎兄弟」も連載用にと考えていたらしく、読み切りにするにはちょっと勿体ない位の出来でした。
因みに、短編の表紙になっているのは、「文殊史郎兄弟」のお兄ちゃんです。
個人的には、4作の中では一番ジャンプ向けで、主人公の性格もストライクだったのですが、結局連載となったのは「過狩り狩り」のようですね。
とりあえず、一度読んでみて欲しい
「吾峠呼世晴短編集」は、鬼滅の刃が面白い人なら、多分絶対気に入るはずです。
全体的に話やキャラの性格が大人向けで、バトルシーンも少なめですが、その分読ませる漫画です。
連載の方は作者の画力も飛躍的に上がってしまい、毎週スペクタクルなバトルが展開されていますが、この人の持ち味はこういう所なんだよなぁと、気づかせられる作品です。
『吾峠呼世晴短編集』や『鬼滅の刃』は、書店やオンラインコミック、オンラインレンタルなどで読むことができます。
一気にスターダムにのし上がった作者の原点を、ぜひ堪能してください。