【完結】『おやすみカラスまた来てね。』第7巻感想~あの二人、結局当て馬だったか・・~

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昨年の今頃、【『おやすみカラスまた来てね』の第6巻はもう訳が分からなくなっている】等と言う記事を書いたのですが、翌年発売された第7巻で、訳が分からないまま、なんと終了してしまいました・・。

う~ん、いくえみ先生の新境地、ここらが限界か・・。

作品のカテゴリーもあいまいだったし、面倒な恋愛要素が強すぎて、「スピリッツ」でやるには無理があったか・・。

と勝手に思っています。

前回の記事が気になる方は、こちらをご覧ください。

今日の記事は、最終巻の感想です。

ネタバレなしには書けないので、ネタバレ大いにあります。

ネタバレを嫌う方は、ここで閉じて頂く事をおススメします。

(嘘。ネタバレも読んで欲しい)

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『おやすみカラスまた来てね。』第7巻感想

早速ですが、『おやすみカラスまた来てね。』。

第7巻の感想ですが・・、正直な所

はぁ~~~??

でした。

センシティブでナイーブで、裏と表が混在する難しい女性の感情を、読者に想像させつつ、繊細な感じに描く、いくえみ綾の作風が仇になったというか、裏目に出たというか・・。

すすきののオーセンティックバーを舞台にしている割には、そこに立ち寄る人々の環境や事情を背景にした、えぐるような群像劇があるわけでも無く、バーだからこそ見えるような、人間関係や特有のエピソードも薄く、勉強になるような裏話もなく、一貫して作品は恋愛モード。

恋愛モードの割には、展開が遅く、まるで中高生のそれそのもの・・。

もう少し大人の話かと思ったのですが、残念です。

この漫画の第一話から察するに、多分ラストがどうなるかは決めて描き始めたとは思うんだけど、大人の世界を扱うには、ちょっと無理があったかなという感じです。

ひょんなことから、亡きマスターから店を受け継いだ二人が、二人三脚でバーを運営していくには、恋愛が早い展開にならないのは頷けます。

お互い、憎からず思っていても、一歩踏み出す勇気もなく、相手の心情をあれこれ探るその行動も分かります。

ただ、善と一葉の二人は残念ながら、子供過ぎたし、切ない部分も表現はされていなかった。

柳原と大神の当て馬感と、残ったキャラの後始末巻・・・

『おやすみカラスまた来てね』のラスト。

結局、色々ありながらも、ゆるい感じで一葉と善はくっつきますが、最終話に向かっての、大神さんと柳原の後始末というか、持っていき方というか、やっつけ感が酷かったです。

あの二人は結局、当て馬だったか・・。

商業誌だし、最終回へ向けて、ペース配分やページ数の制約もあったと思うけど、一葉と柳原なんて、このほんの少し前、手を繋いでお花見してたじゃん・・。

大神さんなんて、つい最近ぽっと出てきたばかりで、何か起こりそうな雰囲気をプンプンさせつつ、あっという間に退場。

しかも、当て馬二人がその後いい雰囲気になるとか、とってもインスタントな感じですね。

まぁ、大神と柳原は比較的大人で自然な感じでまとまったので、無理のなさはサラリと伝わります。

それと、これまた突然現れ、顔も出せないまま終わる長窪汐のお相手・・。

しかも、元夫の兄で、末期がんとか・・。

ラストまであと数ページなのに、唐突に随分重い設定汐にぶっこんできたな、いくえみ先生。

もう、すぐに物語は終わりを迎えるのに、そんな人生背負わされた長窪汐こそ寝耳に水でビックリでしょうが、こちらの方は、何となく

いくえみセンセ、これで数話描こうと思ってたのかな??

という印象を受けます。

しかし、善と一葉という、肝心な二人は、悪い意味でもどかしい位のスローペース。

ウジウジとしたまま最終回を迎えちゃいますが、一応、読者向けにか、気になっていた登場人物のその後は全て回収されています。

こういう終わり方、いくえみ先生、好きだよね。

今回の感想は、あくびのでるような展開の遅さとか、比較的浅めで終わった群像劇とか、あまり活躍しなかった当て馬とか、子供っぽい展開などで、辛口となりましたが、大団円という事で終了。

こんなに楽しめなかったのって、自分が年を取ったせいなのかなぁ・・。

それでは、今回一番好きだったシーンをご覧ください。

恐らく紅の後輩。君は善の数倍優れているよ。

最後、善の元同棲相手であった紅が、(恐らく)彼女にアプローチしていた後輩に告げる言葉「あたしもう遊んではいらんないんだわ。」

これは、善と別れる時にも、紅が放った一言。

優柔不断でフラフラしていた善はこれでフラれちゃいますが、後輩君は違った。

よし分かった!(ここ超大事)

ゼクシィ(結婚関連の雑誌)持って行くから待っとけって。

彼がこの漫画で一番察しがよくて、決断力があって、優れていたのではないでしょうか。

紅は、いい男をつかまえたね。

それではまた。

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