画像は、『おちたらおわり』4巻より 作者:すえのぶけいこ/講談社
ちょっと気持ちが陰に入っていたり、訳もないのに落ち込んでいたり、人間関係にちょっと悩んで疲れる時ってないですか??
そんな時は、ほっこりする漫画や楽しい漫画もいいけれど、ちょっとイジワルだったりドロドロしてる、ダークな闇の漫画もオススメです。
ちょい病みの時は、明るい世界や優しい世界がキツいときもあります。
でも、人の悪意や陰を描いたものって、何故かなかなかに慰められる。
『私だけでは無かったのね』と。
フィクションとは分かっていながらも、読めばちょっぴりバイオリズムが整うドロドロありえん漫画『おちたらおわり』
そうこれは、毒を以て毒を制す。
好みは分かれそうだけど、面白くて意外とスイスイ読めちゃいます。
とあるタワマンが舞台のママ友漫画、ベタすぎる設定
と言う事で、ネットの広告にちょいちょい出てくる、ママ友漫画らしき『おちたらおわり』。
気になり過ぎて、読んでしまいました。
作者は「すえのぶけいこ」さん。
この方は、確か壮絶なイジメに対抗する主人公を描いた『ライフ』と言う作品をヒットさせている漫画家さんです。
ライフは読んだことないのですが、こう言う作風がお得意なのかもしれませんね。
絵柄は読みやすく、美しいです。
2023年現在『be love』で連載されているらしいのですが、この雑誌、レディースコミックですよね?
まだ健在だったとは、驚き。
既刊は2023年8月時点で9ですが、物語はいよいよクライマックスを迎えようとしています。
とあるタワマンを舞台に繰り広げられる、ママ達の縄張り争いとマウンティング合戦。
越してきた、平均的ママ。
それを追うように越してくる、裕福で美貌なボスママと、それに洗脳される取り巻きママ達。
なぜ平均ママがタワマンなのかは置いておいて、平均ママに災厄が降りかかるのは、セオリー通り。
一見大人しそうで常識人のママが実はかなりのナチュラリストだったり、イケメン夫がいたと思ったらモラハラ夫も勿論いる。
もう、世の厄災全てがてんこ盛りですよ。
そんな中、登場する謎の美形男子。
主人公のピンチに颯爽と現れる、そんな人いないだろう的出来過ぎ王子。
彼が何者なのかは明かされてませんが、おいおい、いくら何でもその設定は無いだろうwという、完璧なまでもな作り物感。
正直な所、ママ友とタワマンという設定や関係性などは、既にドラマなどで使い古されており、序盤のエピソードも、どこかで見た、聞いたような内容が多く、そこに新鮮さは無いものの、漫画ならではの非現実世界に掴まれて目が離せない。
築きにくいママ友同志の友情を一見リアルっぽく描きながらも、物語はどんどんリアルからかけ離れ、もはや一種のコメディのように突き抜ける世界観。
テレビドラマ等だと、放送回数や放送コードの関係などから、序盤は飛ばしているのに、後半なんだか丸く収まって尻すぼみになる事が多いけど、『おちたらおわり』は、かなり最後まで攻めていて、失望感を抱かせません。
9巻の予告でも、間も無くラストを匂わせてますが、ここまで来たら、お付き合いします。
もうほんと、後半はあまりにやり過ぎで、ゴルゴ13も真っ青だし、その人脈は一体どこから持ってきたのかと、ツッコミどころも満載で、むしろ清々しいくらいです。
ママ友マウントは、子の能力に向かいがちだけど、ここはあまり描かれない
さて、ママ友のマウント合戦と言えば、夫の地位や収入、それと、我が子の優秀さを競うのが常ですが、この漫画は意外にも、個人の見た目や見栄などが主となっていて、我が子の能力でマウント合戦する様子はあまり見られません。
この辺ちょっと救いではあるんですよね。
人の闇を覗くと言っても、やっぱり子が犠牲になるものは耐えられない。
ママ友のしがらみで、多少そう言うところは描かれてるけど、個人的には許容範囲で、あくまでも大人のバトルになっている所は、安心して読めますね。
あ、あと、安心と言えば、後半の世界があまりにも虚構過ぎるので、「嘘の世界」として、完全な傍観者となり物語を楽しめるところもいいですね。
さて、『おちたらおわり』もクライマックスに差し掛かっています。
読むのが遅すぎて、手に取った瞬間にクライマックスとは・・とも思いますが、ストーリーも収束し始めているし、これ以上長いのもどうかなと思うので、いいタイミングのような気もします。
人の意地悪心を刺激する、ちょっぴりリアルな世界から、アメリカ映画も真っ青な超絶展開。
開いた口も塞がりませんが、たまにこういう漫画って、読みたくなっちゃうんですよね。
男性向けの雑誌では描かれない女性アダルトのこの世界。
ネット広告で気になっている人は、読んでみてはいかがですか?
それでは、今日の記事はこれまでなんですが、ここまで読んでくださった方のために、心が陰に入っているとき、正統派のほっこり系で癒したい派もいると思います。
そんな方は、「スキップとローファー」などがおすすめなので、併せてどうぞ。
それではまた。