【信長協奏曲】クライマックスに近づく20巻

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『信長協奏曲』20巻より引用/石井あゆみ/小学館

ドラマや映画にもなった『信長協奏曲(コンツェルト)』。

漫画以外はそれぞれの最終回を迎え、コンテンツとして終了してますが、連載はまだ続いていて、いよいよ本能寺かという所まで近づいています。

私はコミック派なので、実際のところ今本誌でどの辺なのかも知らず。

実写版もほとんど見ないので、映画やドラマがどの様な終わり方をしたのかもよく分かってません。

一応ネットの情報は読みましたが。

原作を少しでも改変されたり、役者さんの都合のいいようにされると怒っちゃうんですよ。

2次創作とかは大丈夫なんですが、昔からどうしても受け入れられないんですね、厄介だわ。

それは置いておいて、今日はちょうど20巻が発売された事ですし、『信長協奏曲』の好きな所を語りたいと思います。

『信長協奏曲』は、主人公がタイムリープの恩恵を受けていない所が好き。

『信長協奏曲』は、所謂タイムリープものではあるんですが、タイムリープの恩恵を主人公のサブローが全く受けてない所が面白いですよね。

サブローは現代の高校生だったのですが、ある日ちょっとした事で室町時代にタイムリープしてしまいます。

そこで出会ったのは、病弱で、当主としてのプレッシャーに耐えかねて出奔しようとしていた信長。

2人の顔がそっくりだった事から、サブローは信長と入れ替わるのですが・・。

通常ならそこで、未来人としての知恵や知識を活かし、様々な難問をクリアーしたり回避したりするものですが、サブロー君は全くお勉強しない子だったので、信長の事や、本能寺の事とか殆ど知らなかったんですよ。

で、持ち込んだものといえば、現代の文化や感覚のみ。

辛うじて助けとなりそうな教科書は、後日事故のような感じで燃やされてしまうという・・。

出奔した元の信長は、その時代の武家の教育をしっかりと受けていたらしく、聡明でしっかりしていました。

なので、入れ替わった当時は「殿が突然うつけになった」と言われちゃいます。

この辺、現代人の高校生の感覚と室町時代の感覚、全然違う所に、サブローが時代に合わせようと無理せず、今の感覚で振舞う所とか上手いよね。

当時なら既に大人でお家の主なのに、現代ではまだまだ遊びたい盛りの高校生。

この時代感ギャップを上手く漫画にしています。

知らない人は読んでみてほしい。

それと、この漫画の面白くて不思議な特徴なんですが、室町から戦国を扱っている時代ものなのに、なんか全く大河じゃないんですよね。

史実にうるさい人からは一言ありそうですが、戦に勝つ戦略会議とか、戦場での立ち回りとか、臨場感あふれる戦のシーンとか殆どないの。

もしかしたら、作者の石井あゆみさんが動きのある激しい作画が苦手だったという事なのかもしれないけれど、『信長協奏曲』は、そう言う漫画ではないんですよね。

武田信玄も結局出てこなかったし(ストーリー上では出てくる)長篠の戦いもあっさり終わっちゃった。

上杉謙信も横顔がチラッとだけ。

いや、それなりに緊迫したシーンもあるし、史実には沿っているので、竹中半兵衛もちゃんと出てくるし、桶狭間だってちゃんとあります。

ストーリーは史実に基づいているので、「新解釈」とか「新編!」でも無いのですが、当時に現代人の感覚を持ち込むとこんな風に面白いんだなと、今までの時代ものを読む感覚とは全く違う面白さがあります。

この作品は、結局サブローの奇抜さや、人となりがメインのストーリーなんですよ。

大河を楽しみにしていた人には残念なお知らせなのですが、信長の側室たちも出てこないし、利家の正室「まつ」も出ません。

ていうか、前田利家は、知らない人が見たら独身貴族ですわ。

そんなだから、前田慶次なんてまの字も出てきませんよ?

光秀の娘ガラシャも出てきません。

だけど不思議な魅力があるんですよね、この漫画。

いつの間にかサブローも50になっちゃってるし、流石に前田利家も、もうそんな格好してないでしょという部分もありますが、『信長協奏曲』第20巻はいよいよ本能寺に近づく一冊です。

『信長協奏曲』20巻はこんな感じ

さて、『信長協奏曲』20巻は、いよいよ長篠の戦が終わり、後始末のために甲斐の国へ入った信長一行。

甲斐の国と言えば現在の山梨県。

霊峰富士を楽しみつつ、この辺をぐるっと回ることに・・。

富士山と言えば、裏富士だ表富士だと、今も昔も山梨県民と静岡県民の争いの元(?)ですね。

お隣の駿河の国には徳川家康がいます。

信長は、家康のもてなしを受けたので、今度は家康を安土城に招待します。

接待役を買って出たのは、明智光秀。

この辺も大河ドラマなんかでよく出るくだりですが、明智光秀は、この漫画の中では本物の信長であった人です。

途中端折って、成長した信長がサブローをサポートするべく、明智光秀となって再登場するんです。

で、まぁ、今回は、来るべく本能寺に向けてまとめに入り始めている巻です。

20巻を読んで、めずらしくセンチメンタルになっちゃったよ・・。

高校生でタイムリープして、30年以上。

史実に残る信長の波乱万丈な人生を振り返る20巻。

サブローも遠くに来ちゃったね・・。

サブローの「帰りたい」とか「帰るためには」みたいな所を見ることもなく、飄々と戦国を生き、その不思議な魅力で家臣をまとめた・・。

これは漫画だし物語だけど、今風のコミュニケーションの取り方って、よかったんでしょうね。

奥ゆかしいとか、察するとかも大事だけど、感謝の気持ちとか気分をはっきり表すのって、大事ですよね。

ちょっと感傷的になりましたが、20巻で、遂に家康はサブローが未来人だと気づきます。

この辺、ドラマとかでもやったのかな??

・・・、う~ん、分かりません。

調べた限り、映画やドラマはそれなりにきれいに纏まっていたみたいだけれど、漫画としての終わり方はどうするんだろうか??

映画に準ずるのか?

オリジナルを用意しているのか??

本能寺は避けて通れないけれど、ストーリーが終息に向かっているので寂しくも期待しながらその時を待っています。

『信長協奏曲』の映画は、アマゾンプライムやネットフリックスで見ることができます。

アニメはFOD等で。

私はどちらも見てないけれど、小栗旬がかっこいいから、興味ある人は見てみてね。

あ、歴史に興味がなくても、漫画は絶対読んで欲しいです。

それではまた。

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