「ヴァンサン」とは、私が最近はまっている漫画「結婚商売」の執事長の名前。
主人公のビアンカは、たまにヴァンサンの事を、「ヴァンショー」という愛称で呼ぶ事がある。
まぁ、最も、この呼び方は、当のヴァンサン本人としては不本意のようだが。
しかし、物語の序盤、伯爵たちが、ヴァンサンの作ったヴァンショーを飲みながら夜に語り合っている・・・。
って、早口言葉か!
という事で、「ヴァンショー」とは一体何なのか。
調べて作ってみたら、とても美味しかったので、今日はヴァンショーの説明と、作り方の記事。
ヴァンショーとは、フランスで言う所の「ホットワイン」である
「ヴァンショー」とは、フランス語でホットワインの事でした。
寒い日や風邪を引いた時に飲むと格別な、ワインにスパイスやフルーツ、ハチミツ等を入れて温めた飲み物です。
アルコール度数が高めのワインですが、温める段階で結構アルコールが抜けるので、お酒が弱い人も飲みやすく仕上がります。
伯爵たちは、ヴァンサンが作ったヴァンショーをティーカップで飲んでいたけど、一般的にはもう少し底が深い、耐熱ガラスのグラスなどで供されることが多いです。
ただ、漫画「結婚商売」の時代は耐熱ガラスはなかったと思うので、今日は漫画の様にティーカップを使ってみようかと思います。
ビアンカは、ヴァンサンの事を、意地悪で「ヴァンショー」と読んでいたらしいですが、ここから想像すると、あの漫画の舞台は、冬が厳しいフランス領のお話かなと想像できます。
因みに、レースの起源は紀元前らしいですが、漫画の様に盛んになったのは16世紀以降で、ベルギーやイタリアの一部地域が発祥とされています。
という事で、ヴァンショーを作ってみる(材料編)
そんな訳で「ヴァンショー」を作ってみます。
温める段階でアルコールが抜けると言っても、20歳未満のお子様とかには厳禁なので、お気を付けください。
「ヴァンショーを作る」と言っても、レシピは各家庭やその時にあるものそれぞれで、厳密なレシピは存在しません。
ワインにスパイスと果物を入れて甘味をつけて温めれば、それはもう「ヴァンショー」。
今日は家に余っているリンゴなどを使ってみました。
今日の材料はこれ!
ヴァンショー材料(300㏄分)
★ ワイン 300㏄
★ 清見オレンジ 1/2個
★ リンゴ 1/2個
★ ショウガ スライスして3~4枚
★ レモン 1/2個
★ クローブ 4つ
★ シナモン 1本
★ ハチミツまたは砂糖など 好みで(今回は、ハチミツ大さじ2弱を使用)
・アルコールを飛ばして甘味をつけるので、ワインは安いものの方がおススメ。
・赤ワインで作られているものが多いですが、白ワインでも美味しくいただけます。
・柑橘を入れるのは基本ですが、それ他にはイチゴやキウィ等を入れるのもおススメです。
今回は、家にあったリンゴをメインに、アップルジンジャーをイメージして、ショウガを入れました。
リンゴとショウガは、漢方で体を温める作用があるので、風の引き初めに推奨です。
という事で、ヴァンショーを作ってみる(材料編)
それでは早速ヴァンショーを作ってみます。
鍋にワインを全部突っ込んで、そのまま温めればできあがりなんですが、写真と共に順番を追ってお送りします。
- STEP
果物は皮付きのままスライスし、材料を鍋に入れて火にかける
柑橘系の皮とさじょうの間にある白いワタからは苦みが出るので、丁寧に作るなら、皮をむき、さじょう部分と分けてワインに入れます。
柑橘系の皮から香りの成分が出ますので、必ず使ってください。
残留農薬等が心配な人は、重曹で洗ってくださいね。
私は今回国産の清見オレンジを使用しています。
- STEP
ハチミツを加える
甘味をお好みで加えます。
甘さ控えめが好きな人は、甘味を加えなかったり減らしてもいいですが、個人的にヴァンショーは甘味が決め手と思うのでしっかり甘い方がおススメです。
- STEP
沸騰直前まで温め、30分位おく
煮立たせないように温めて、火を止めたらそのまま30分位置いておきます。
実はこの時点でもう飲めるのですが、30分位置いておくと、果実から香りと風味がワインに充分抽出され、香り高く、まろやかな味になります。
出来たては結構味が尖っていたり、果物の風味が足らないと感じるかもしれません。
冷めるまでそっと置いておきましょう。
- STEP
再び温めて、器に移してできあがり!
ヴァンショー完成しました!
飾りに、オレンジのスライスとシナモンスティックを添え、漫画とそっくりに仕上げました。
「寒い冬には熱いヴァンショーが最高だな。」とソヴールが言っていたけどその通り。
立ち昇る果物の香りとほっとする甘味でとても美味しいです。
今日は風邪をひいていたのでショウガを加えたけれど、ショウガとスパイスのパンチがアクセントになっています。
スパイスはお好みでスターアニスなんかを入れてもいいようです。
スパイスが苦手な人も、ホットワインにはとっても合うので試してみて下さいね。
お菓子にも合うし、チーズなどにもよく合いますよ。
余談ですが、使った果物はそのまま食べてもいいですし、ジャムに転用してもいいかもしれませんね。
それではまた。
本日用意したスパイス等