いよいよ始まった『鬼滅の刃ー遊郭編-』。
バランスのいいストーリーに動く天元さん。
どのスタジオも裸足で逃げ出す絢爛な遊郭の描きこみ。
見ましたか?
あの、襖の描きこみを!
豪華絢爛に始まった遊郭編の醍醐味は、花街の煌びやかさと禿や遊女の圧倒的美貌。
そして・・、この中に巣食う美女鬼。
彼女の名前は堕姫。
本当の名は、花街につきもののある病原菌から来ているようですが(原作を読むと、お母さんがこの病気だったらしい事が分かる)時代ごとに名前を変えて、吉原に君臨し続けているようです。
花魁に枕は避けて通れない
さて、蕨姫こと堕姫は、長年吉原に巣食って、美しい人間ばかりを喰らっている上弦の鬼ですが、表の姿は花魁です。
花魁とは、吉原にある各妓楼のナンバーワンを表す称号ですが、何も、始めから花魁になれるわけではありません。
詳細は端折りますが、小さなころから教育を受け、芸事や教養に秀でた女性でないと、花魁にはなれないとされてきました。
で、花魁になれば、気に入らないお客は「野暮だ」と自分から断る事ができた・・。
という事ですが、花魁である堕姫は、ここのしきたりを、一体どうやってかいくぐり、長年君臨し続けられたのでしょうか??
『気に入らない客は断れる』っていったって、それはある程度盛られた話で建前上の事でしょうし、実態に基づいていたとしても、花魁のお仕事は、夜のお相手なくしては務まらない。
舞台としてはとっても豪華で、映える演出の多い遊郭編で忘れがちですが、堕姫が花魁であることについて、そのお仕事内容について考えたことがある人は多いはず(?)。
まさかお相手全部食べるわけないし、自慢の血鬼術で一夜を共にしたという幻影を見せて、満足させてお客さんを帰していたとか??
いえいえ、人々が不審な死を遂げているのに、ギリギリの線で自分に嫌疑がかからないよう振舞っていた堕姫。
果たして、遊郭につきものの枕は、一切していなかったのか??
およそ少年漫画に似つかわしくはないけれど、私はこう考えてます。
個人的に、堕姫は自分のお気に入りとは、お付き合いしていたんじゃないか??と思う
私の出した予想は、まぁ・・・、堕姫は、『自分の気に入った相手となら、ある程度おつきあいしていた』んじゃないかなぁと思ってます。
美しいものが好きなので、若旦那とか、当時の役者さんとかね。
気性が荒いので、お相手の足は自然に遠のいた事もあるだろうし、年を取らない堕姫を不審に思い、問い詰めた旦那さんを殺してしまった事もありそう。
ただ、原作やアニメを見ると、堕姫はず~っと同じ妓楼にいたのではなく、度々姿を消して、名前も変えている様子だから、タイミングを見て、一定の期間吉原から離れたりしていたんでしょうね。
豪華な着物を着て、髪を結い、数えきれないほどの簪を挿し、化粧を施した美しい自分が最も美しくいられ、誰もがその美貌をほめたたえてくれる環境は、貧しい子供時代を過ごした堕姫にとって、承認欲求が満たされる場所であり、自分の価値が可視化できる、唯一の場所だったかもしれません。
源氏名に好んで「姫」をつけていたという堕姫にとって、姫そのものになれる遊郭は、人間を喰らうのに絶好の場所というだけではなかったのかもしれないですね。
そして、彼女は無惨様に心酔している。
というか、無惨様が大好き。
無惨様に膝枕までしてもらって、うっとりしているその様子は、既に身も心も捧げているよう。
一人の女性として無惨様を思い、焦がれて狂わしい思いを抱いた日もあるでしょう。
そんな訳で、お気の毒にも(?)無惨様の代わりとされた、見目麗しい男子には、自分の欲求のために身体を許していたとしても、何ら不思議ではありません。
そもそも堕姫は、遊郭育ちで、母親も遊女。
男女の営みについては、小さなころから教育されていた事も、考えられます。
また、美しい人間の美しい部分しか喰らわないという堕姫の話ですが、原作から解釈するあたり、身請けの決まった花魁は、絶対に食べていたようです。
美しい・・、だけじゃなくて、愛されて身請けされる花魁への妬みや嫉妬もあっただろうし、「鏡よ鏡よ鏡さん、世界で一番美しいのは、この私。」という自負もあったかもしれませんし、この辺りは、女性なら理解できる部分でもあるのではないでしょうか。
嫉妬や妬みが渦巻く心中。
自分の容姿に自信があるからこその負の感情と怒りのエナジー。
今日の記事はとっても下世話な話題ですが、花魁「蕨姫」としての堕姫は、結構営業していたんじゃないかなと、私は思ったわけです。
摩訶不思議な乙女心と恋心。
人間に近い鬼は、人間に近い感情を持ち合わせ、瞳の刻印すら隠せる堕姫には、人並みの欲求もあったんじゃないかな??
という話。
それではまた。