画像は『ミステリと言う勿れ』5巻より引用/田村由美/小学館
こんにちは。
最近話題、既に600万部突破している田村由美さんの『ミステリと言う勿れ』を読んでいます。
話題になるだけあって面白く、1巻からグイグイ引き寄せられ、8巻までを遂に大人買いしてしまいました。
1巻1巻が結構重く、読みごたえがあるので一気に読むことはできないのですが、所々にグサリと突き刺さるセリフやエピソードがあり、読むと疲れるけれど、とても面白いです。
現在6巻まで読み進めましたが(既刊揃えたのに、まだ全部読めていない)、まず、1巻で引き込まれ、2~3巻はそこそこのテレビドラマ(しかし、主人公にとって大事な人の一人と出会うのがこの辺)、4巻はちょっと停滞、そして、5巻はこれまでで一番の珠玉ストーリーとなっています。
(個人的感想)
『ミステリと言う勿れ』は、こんな感じの漫画です
『ミステリと言う勿れ』は、少女漫画家の田村由美さんが、現在「月刊フラワーズ」で連載している漫画です。
大学2年生の主人公、「久能 整(くのう ととのう)」君が、ひょんなことから殺人事件の濡れ衣を着せられ、警察にしょっ引かれる所から話が進むのですが、タイトルの『ミステリと言う勿れ』の如く、ミステリーとも、事件物とも、推理ものともまた違うストーリーが展開されていきます。
私は、(大人気)真実はいつもひとつ的な推理ものやミステリーは、小説も漫画もほとんど読まない方なのですが、この漫画には引き寄せられました。
いつもは、乗ったらすぐに睡眠に突入する飛行機の中で、何の気なしにペラペラとめくってみたのですが、そのまま眠らず、ノンストップで1巻を読み終えてしまう位夢中で読んでしまいました。
で、到着した空港で残り全巻買ったのです。
あえてカテゴライズするなら、「巻き込まれ系の事件物」なのですが、整君の言葉一つ一つが重く、人を救い上げたりも、刺したりもするんです。
作者の田村由美さんは、この物語を舞台で言う独白形式で進めたかったと、あとがきでも書いていますが、とにかく、主人公の整が喋るので、1巻読み終える頃には一杯一杯。
先が気になるけれど、続けてそう何巻も読めるタイプの作品ではなく、私はまだ6巻なのですが、特に社交性やコミュニケーション力が高いわけでもない整が人の心に滑り込み、具体的な例を交えながらその人その人ごとに突き刺さる言葉を投げかける部分は、ある種教祖と呼ばれてしまう人のそれであり、メンタリストのそれであり、占い師のそれでもあり、一見の価値ありです。
整が放つ言葉や例えは、周知の事実や有名なものもありますが、所々、作者の思想やフェミニズムが顔を出す部分もあり、非常に興味深いです。
ただ、続けて読むには心も体も体力が要ります。
また、この漫画には、プロファイリング的な謎解きや、クラシックな推理小説に準ずる部分もあるけれど、根底にあるテーマは奥深く、特に5巻を読み終えた時には、すぐには次の巻に手が伸ばせるものではありませんでした。
作者の田村由美さんについて
ところで、少女漫画家の田村由美さんは、『BASARA』や『7SEEDS』等の漫画で知られていますが、私はそんなに好きではありませんでした。
数年前「とにかく面白いから。少女漫画に棲んでいる作品じゃないよ!」と言われ、『BASARA』を読んでみたのですが、面白かったけど、夢中になるほどではなかったというのが正直な感想です。
『BASARA』は架空戦記物のジャンルだし、当時の田村由美さんの絵柄もちょっとベタッとしているものだったし、作品の好みは、人それぞれ。
恋愛部分もはっきりせず、広げた風呂敷に冒険活劇とロミオとジュリエット的な部分が上手く融合できていない感じが、ちょっと私は苦手だったんですよね。
ところが今回、『ミステリと言う勿れ』を手に取ってみて、一番驚いたのが絵柄。
まぁ、『BASARA』終了から20年以上経っているのだから当たり前なんですが、時代に合わせてここまで端正で美しい線を描く絵柄になっていたとはビックリです。
昔の印象が強かったから、アシさんに描かせてるのかと思ったほどです。
(失礼極まりなく、申し訳ありません)
しかも、登場人物それぞれが地に足をついている感じで、とてもお洒落で垢ぬけている。
『BASARA』はファンタジー色も強く、時代も設定も架空の物語だったので、今ひとつピンとこない部分もあったのですが、『ミステリと言う勿れ』は設定が現在なので、とても入っていきやすいのですよ。
とにかく、絵柄が苦手で物語に入っていけないという心配は杞憂なので、『BASARA』や『7SEEDS』を読んで、ちょっと苦手だなと思った人でも、目から鱗でびっくりですから、手に取ってみて下さい。
『ミステリと言う勿れ』第5巻のあらすじ
と言う訳で、ズシ~ンときながらもおススメの『ミステリと言う勿れ』。
特に素晴らしかった第5巻のおおまかなあらすじです。
と言っても、ここで大きなネタバレはできません。
とっても小さなネタバレと、とっても大きなあらすじです。
『ミステリと言う勿れ』第5巻。
整君が大学生だという事は、その前の巻でも説明されていましたが、彼の学生生活を5巻では垣間見ることができます。
質問されてドキドキの教授。
その昔、三島由紀夫が大学生だった頃、彼は常に座席の一番前を陣取り、カッと見開いたあの目力で、微動だにせず講義を受けていたそうな。
その姿に、当時の教授陣は恐れをなしたそうですが、まぁ、整君はソフトなので、そこまでではなかったにせよ、真面目な質問に教授はドキドキです。
そして、そのやり取りの中で、整が既に将来何者になりたいのか決めていることが分かります。
第5巻のエピソードは、始めから最後まで、とにかく秀逸。
整が目指しているものは後半明らかになりますが、この話を描きたくて、作者は2~4巻を頑張って描いたのかなという気さえしてきます。
1巻は、作者の新しい試みとして描かれたもの。
2巻以降は、なんとなく、今後の指針を決めるため、万人受けな設定やエピソードで、テンポが悪く、若干凡庸だった印象があります。
ところが、第5巻は全く熱量や造りこみ方が違うし、色々な面が深掘りされている。
最初から最後まで、目が離せないのです。
そして、ラストの無力感や喪失感と言ったらありません。
でも、読後感は悪くない。
バッドエンドじゃないのにカタルシスは無く、無力感やエレジーがあるのに読後感は悪くないという、とてもじゃないけど形容し難い気持ちにさせられて、6巻は目の前にあるのに、手に取ることができないのです。
まるで、この問題を解決するまでは、次の話を読むなと云わんばかり・・。
・・・、て言っても、明日には6巻を読むのですが、第5巻は、これまでとはちょっと、違います。
正直、2~4巻は、普通のミステリーものとかサスペンスものになっちゃって、プラス整が喋る感じで少し飽きがあるのですが、5巻は全く違う印象を受けました。
人付き合いが苦手で、ちょっと変わった整の可愛い部分や人間らしい部分も大きく挿入され、『この漫画はこのままこんな感じにやっていくのかな??』とか『う~ん、トーンダウンしてるかな??』と言った私の気持ちを払拭し、1巻を読んだ衝撃と同じく、また、新たな気持ちで整と一緒に人と向き合う事ができるようになったのです。
とまぁ、あらすじとも言えない内容で5巻を紹介しましたが、『ミステリと言う勿れ』の1巻は、本当にびっくりするほど面白いです。
で、2~4巻は、面白いですが、人を選ぶかなという感じ。
そして、5巻。
急にまた面白くなります。
読んだ事ない人は、1巻と5巻がおススメです。
登場人物や伏線などが繋がっているので、繋げて読んで欲しい気持ちもありますが、そこそこの大人なら、1巻と5巻別々に読んでも充分面白いと思いますし、他の巻も読んでみたいと思うと思います。
とにかく、内容をあまり知らなくても、『ミステリと言う勿れ』の5巻は秀逸ですので、読んでみて下さい。
私もまだ6巻ですが、素晴らしい話があればまた、記事にしたいと思います。
それではまた、