画像はTVアニメ『東京リベンジャーズ』公式サイトより
2021年、最も読まれた漫画は『東京リベンジャーズ』だそうです。
私も今更読んでいますが、何この漫画、めちゃくちゃ面白いんですけど!!
もう、熱い!熱すぎる!!
ただのヤンキー漫画だと思って敬遠してたし、絵柄も正直子供っぽくて、食わず嫌いしていた私のバカバカ!!
という位面白くて、読みやすいです。
漫画において「読みやすい」というのは私が凄く重視している所なんですが、『東京リベンジャーズ』の読みやすさは尋常ではありません。
ストーリーにも絵柄にも勢いがあるし、キャラクターも活き活きと魅力的で、一度開けば、読者は小休止なく読まされてしまう力がある漫画です。
こりゃみんな、夢中になるよ。
『東京リベンジャーズ』の簡単あらすじと解説
『東京リベンジャーズ』は、表紙だけ見るとただの暴走族のヤンキー漫画なのですが、ここに、タイムリープが加わって、過去と現在が目まぐるしく変わっていく物語です。
26歳の主人公、「花垣タケミチ」は、中学時代ツッパっていたものの、今は髪も黒く染め、超絶さえない毎日を送っています。
そんなある日、昔付き合っていた彼女が亡くなった事を知ります。
昔ちょっと付き合っていた位で、顔すらほとんど覚えていなかったタケミチですが、線路に突き落とされたことがきっかけで、タイムリープしてしまいます。
辿り着いた先は、キラキラの中学時代。
懐かしい中学時代の仲間と共に、渋谷の街を闊歩するタケミチは、一瞬それが走馬灯だと勘違いします。
でも、それは走馬灯ではなく、正真正銘のタイムリープ。
おぼろげな記憶と共に再現される当時の時間。
そこで、タケミチは、当時の彼女「橘ヒナタ」と再会します。
で、色々ありながらも、タケミチは橘ヒナタを死なせないために、その死の真相に迫りつつ、歴史を改ざんしながら何度もタイムリープを繰り返し、その目的は変化する・・。
というのが大まかなあらすじです。
魅力に溢れる登場人物、迫力のある構図、圧巻の画力で表現される戦闘シーンなど、『東京リベンジャーズ』の見どころは満載です。
序盤ちょっと苦しい部分もありますが、1巻の中盤でマイキーとドラケンが出てくると、一転して物語が天然色になり面白さが加速します。
作者の和久井健さんの絵柄は少年漫画らしいところが多く、可愛い絵柄も多いのですが、時々見せる重要シーンの迫力がものすごいのです。
正直な所、女の子のバランスが悪いなと思う事がありますが、登場人物の見た目も性格もセリフもすべて描き分けられていてセンスがとても良いのです。
しかも、すごく読みやすい。
この読みやすさは一体何なんだろうと思ってよく見てみたら、1ページ当たりのコマ数が少ない!
コマが少ないと子供向けかと思う人も多いかもしれませんが、そうではなく、その大きなコマには何シーン分もの情報が凝縮され、メリハリと大迫力を生みだしているのです。
上のページを見て下さい。
描き込まれたコマの中に、白く大きなコマがひとつ。
マイナスの技法で、そのひとコマから読者は色々な事を受け取れるようになっているのです。
迫力のあるシーンから場面変更するときには、一拍置いて、読者にちゃんと切り替えをさせてくれるし、ストーリーの進み方にも無理がなく、セリフや説明も多くはないのに、大事な所はしっかりと読者に伝わってきます。
色々な漫画を読んでいると、何の脈絡もなく突然不自然なカッコいいセリフが入ってみたり、話の流れにそぐわないセリフがストーリーの腰を折ったり間を置かない事で説明不足なままストーリーが進んだりして、読み辛かったり違和感を感じ、置いてきぼりにされたりすることがあるのですが、『東京リベンジャーズ』は一切そういう事がなく、読者はキャラクターたちと一緒に進んでいく感じで、一気に読み倒してしまいました。。
読みやすいって、すごい技だ。
『東京リベンジャーズ』の時間軸はひとつ
この漫画には、面白い所や魅力的な所が沢山あるのですが、その魅力の一つとして挙げておきたいのが、「時間軸はひとつしか存在しない」という所です。
過去と現在には、ナオトという、タケミチのタイムリープの手助けをする人物がいます。
ヒナタを救おうと、過去でタケミチが何かをする度に、現在は大きく改ざんされるのですが、過去が変わると、現在のナオトの記憶も上書きされる仕組み。
ですが、ナオトは全てを忘れてしまうわけではなく、上書き前の記憶も残っているようなんですよね。
後半、タケミチがタイムリーパーだという事が数人に知れる事になりますが、過去を変えたからと言って、それを知っている人たちの記憶は変わらず残っていいるという所も、漫画を面白く、読みやすくさせている所ではないかと思います。
時間軸がいくつもある、パラレルワールドな設定の場合、別の世界の別の時間軸になるから、同じ人でも別の人という事で、どうしても、『今ここにいるのは、助けたかったあの時のあの人じゃない』という気持ちが先に立ってしまい、実際の現実は別の世界という所に哀しさモヤモヤを感じてしまう事があります。
過去を変えたことで当然未来は変わっているのだけれど、それでもそれは同一人物という所に、とても救いのある漫画だなと思いながら読みました。
でも・・
あんなにバンバン人が死んじゃう漫画だとは思わなかった・・
さて、『東京リベンジャーズ』も最終章。
ついこの間読んでもう最終章なんですが、連載を追いたかったという気持ちもあり、こんなに面白い漫画を待たずに23巻まで一気に読めたというラッキーもあります。
とにかく、この漫画は理屈でなくて、本能で面白いから読んでみて下さい。
ビジュアルに秀でたキャラクターも多く、そのファッションや圧巻の構図も楽しめます。
う~ん、こういう漫画久々だなと感動しつつ、最後まで目が離せません。
それではまた。