【謎を残したまま、チェンソーマン最終回】あらすじと感想

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『チェンソーマン』/藤本タツキ/集英社/MAPPA

『チェンソーマン』が、謎を残しながらも終了しました

2020年12月。

遂に『チェンソーマン』が最終回を迎えました。

そして、『このマンガがすごい!2021(オトコ編)』の第1位を獲得し、アニメ化も決定。

おめでとうございます。

いや・・、それにしても、あれとかこれとか、結局分からずじまいの事が山積みです。

色々と謎を残してますが、しかし『そんなのもういっか。』という位に読後感はよかったです。

今回は特に、ストーリーも去ることながら、間の取り方やキャラの動き、それぞれの描写が秀逸でした。

それに、表紙も素晴らしかったですね。

明るい色彩で美味しそうに描かれた食事の数々に、笑いの要素を少し。

この構成で、先週から結構時間が経ったのだなという事が分かります。

〇年後という落としどころではなく、きっちり先週から続く世界で終了した最終回は、デンジとポチタが救われる一面もあり、しっかり終わったなと言う感じです。

ラストの2ページに至っては、ヒーローもの然とした、アメコミ映画のラストの様なワクワク感と爽快感で感慨無量でした。

『チェンソーマン』は遂にアニメ化になるらしいですが、2部としての連載再開も決まっているようです。

う~ん・・。

ジャンプplusに異動とは意外というか何というか・・。

これってきっと、大人の事情ですよね。

これ以上の表現をするには本誌では無理だったのか。

それとも、『チェンソーマン』の読者層は大人の人が多そうだから、『スパイファミリー』と合わせてプラスの人気を不動のものにし、本誌の売り上げには影響なしと踏んだのか・・。

(個人的には、今のジャンプはダークファンタジーの被りが多く、連載のバランスが悪い気がしていた。)

しかし・・、これからアニメになろうという作品を、本誌が手放すのも意外・・。

もしかして、アニメ化でより多くの人の目に触れるようになった時、「少年ジャンプで連載中」というのは、まずい何かがあるのか。

はたまた、担当の林氏がプラスに本格的に異動になり(異動になったかどうかは知りませんが・・)、藤本タツキがついていく事にしたのか??

週刊連載ではクオリティを保つのは難しいから、隔週のプラスで始めるのか・・。

下世話な話だけど、この辺も大きな謎で、気になります。

実はもう、次の構想やネームができていて、より衝撃的な内容となるため、掲載誌を変えたなんて事もあるかも・・。

まぁ、描いてくれさえすればそれでいいという感情もありますが、第一部完のタイミングで掲載誌の異動とかアニメ化とか諸々、大人だったらどんな事情があったのかは、知りたいですよね・・。

ただ、ジャンププラスで連載となると、コミックスになるまでは見開きのインパクトなしで読んでいくわけですから、藤本タツキ氏の特徴的なコマ割りが堪能できなくなるというのは、辛いなぁ・・。

プラスに異動するのって、いつごろ決まったんだろうな・・。

もしかしたら、それに合わせてストーリーのペースを上げて、最終回を持ってきたのかもしれないし・・。

謎・・。

『チェンソーマン』最終回のあらすじと感想

とまぁ、こんな所で最終回のあらすじを、感想を交えながら簡単に書きたいと思います。

まだコミックスも出ていないので、サラッといきます。

マキマとデンジ&チェンソーマンの死闘は数週前から続いていましたが、先週位に、デンジがマキマに勝利しています。

でも、マキマの死は他の誰かが犠牲になるだけで、マキマ本体には影響がないはず・・。

このままではダメです。

それで、結局先週、デンジはマキマさんを食べる事にしました。

う~ん、『ファイアパンチ』に続くカニバリズム・・。

そんなわけで、今週はデンジが頑張って作った料理の数々が表紙となって飾られています。

そして最終回・・・・。

デンジは、マキマ消滅の報告をするため、岸辺と公園で待ち合わせていました。

肉の食べ過ぎでげっそりとくたびれて、マキマの飼っていた犬7頭と、パワーの飼っていた猫の「ニャーコ」を引き連れたデンジの様子は、『あれから一体どうなったのだ』という読者の緊張を一気に解きほぐします。

犬7頭とニャーコは、マキマとパワーの忘れ形見のようなもの。

デンジはちゃんと面倒を見ていたのだと、安心させられるひとコマです。

岸辺と話している時の、気だるそうなデンジの様子は、お世話に疲れた日曜のお父さんそのもの。

犬に群がる子供の様子も日常の風景で、今はひとまず安全なんだと分かります。

本当に、この人はこういう風景の捉え方で時間の経過や状況を表すのが上手い。

一時ニャーコを預かっていた岸辺に、ニャーコがなついている様子も微笑ましく、ちゃんとあのエピソードが回収されているんだなと、ちょっぴり感動。

デンジはそこで、岸辺から4~5歳位の女の子を託されます。

なんとこの子は、マキマが転生した女の子で、岸辺が中国からさらってきたようです。

転生って・・。

チェンソーマンが食べるとその名前の存在がこの世から消えるらしいけど、転生できたということは、支配の概念は生きている。

食べたのはあくまでもデンジという事で、マキマは転生したのでしょうか??

しかも、転生という事は、地獄で一旦殺されたという事ですが、一体だれにやられたのか??

・・・、誰が殺したクックロビン・・・。

半ば強制的に押し付けられた形で女の子を引き取るデンジ。

女の子の名は「ナユタ」。

実はこの「ナユタ」。

以前藤本タツキ氏が、「ジャンププラス」で描いた読み切り漫画『予言のナユタ』の主人公と同じ名前です。

ナユタは藤本タツキが昔描いた読み切りの主人公

話はちょっとそれますが、藤本タツキの短編作、『予言のナユタ』。

この漫画に登場する「ナユタ」は、人の言葉も話せない、暴力的で破壊的な悪魔の子でした。

しかし、チェンソーマンに出てくるナユタは人の言葉も話せるし、角もないし感情もそこそこ豊かそうです。

予言のナユタ本編は、多少救いのあるものの、今後に不安を残す結構ブルーな終わり方をするので、作者としては、チェンソーマンで再登場させて、ナユタを救ってあげたいという気持ちもあったのかもしれないですね。

『予言のナユタ』はかなり力技の作品ですが、興味のある人はジャンププラスという、少年ジャンプのウェブサイトで読むことができます。

アプリのダウンロードは無料です。

ただ、『予言のナユタ』は、普通に検索しても見つかりません。

『ファイアパンチ』のページから各話をスクロールしていくと、たまに特別読み切りが出てくるのですが、その「特別読切4」が、『予言のナユタ』です。

多分、39話と40話の間にあると思います。

気になる方はぜひ読んでみて下さい。

閑話休題。

岸辺に逃げられ、がっくりと肩を落としたデンジは仕方なく女の子を連れ帰る事にしますが、その背中には、猫のようにへばりつくナユタ。

腕の先には7頭の犬。

この辺の描写がもう、素晴らしい。

その夜、デンジはポチタの夢を見ます。

ポチタは

「ずっと誰かに抱きしめてもらいたかったこと。」

「その願いをデンジが叶えてくれたこと。」

「支配の悪魔の夢の事」

「支配の悪魔の夢をかなえてあげて欲しい事」

などを、デンジに話します。

ここは、ノーガードで読むと泣いちゃうかもしれないので、電車の中とかでは気を付けてね。

結局これは、家族の話だったという事・・?

愛されて育った子供が、命を紡いでいく話??

考察全然あたってなかった・・。

場面変わって数日後。

デンジはなんと、高校に通っています。

公安は辞めたのか、休職中か、それとも、公費で学校に通わせてもらっているのかな?

でも、趣味でデビルハンターをしているらしく、その胸にはチェンソーのスターター。

ポチタとは、しっかり同化しています。

このあたりで、ストーリーはお開き。

第一部は完となります。

ナユタには、記憶がないが記憶の遺伝子がある???

さて、最終回に登場したナユタちゃん。

10歳位にも見えなくはないけど、犬の事を「わんわん」と言っていたので、就学前という事で間違いないでしょう。

いやしかし、転生したばかりなら、言葉を知らないだけというのはありえるか・・。

発見されたの中国だっていうし・・。

転生した悪魔は前世の記憶がないのらしいのですが、ナユタには所々、欠片のような何かが残っている様子です。

犬の事を「わんわん」と言っていますが、デンジの事も指さして「わんわん」と言っています。

これってきっと、デンジがマキマの犬だったから、「私の犬」という意味だと思うのです。

また、デンジと似た一面もあり、断片的に何かが残っているというよりは、デンジがマキマを食べたことによって、デンジの何かを引き継いで転生したという事も考えられる気がします。

記憶を失くしたマキマの転生は、前作『ファイアパンチ』をなぞる部分もあるけれど、チェンソーマンとファイアパンチは違う話だと私は理解しているので、比べたり、この後の予想をするのはやめておこうと思います。

作者が繋げたいなら、それはそれでいいんですけどね。

サラッと書くつもりが結構あらすじを書いてしまいましたが、大事な所は本誌やコミックスで、是非確認していただきたいと思います。

最終巻が出たらびっしり書くかもしれないので、今日はこの辺で。

『ファイアパンチ』や『チェンソーマン』をまだ読んでいなくて、これから読んでみたいと思った方は、スカッとするばかりの話じゃないけれど、迷わず読んでみてください。

それではまた。

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