今日は『たまごふわふわ』という、ほっこりとして体にも優しい静岡県の料理を作ります。
最近読んだ『新米姉妹のふたりごはん』で紹介されてました。
新米姉妹のふたりごはんとは?
『新米姉妹ふたりごはん』とは、KADOKAWAから出版されている、柊ゆたかさんの漫画作品です。
『月刊コミック電撃大王』で、現在も連載中。
2019年には深夜枠でドラマ化もされています。
両親の再婚で、ある日突然姉妹になった2人。
しかも、両親は再婚早々海外出張で家にいないという設定。
姉のサチは明るくてちょっと子供っぽいけど、妹のあやりとコミュニケーションを取ろうと奮闘。
一方、妹のあやりも姉の事は慕ってるようだが、あまり感情を表に出す事ができない。
だけど天邪鬼とか、ひねくれてないところが、この漫画の平和でいい所なんですよね。
この漫画は、そんな2人が料理を通じて信頼やコミュニケーションを築いていくというお話です。
私は3巻まで読みましたが、特に大きな問題やハプニングがあるわけではなく、普通に日常が繰り返していく中にお料理があるという、一話完結の物語で、凄く先が気になるタイプの漫画ではないのですが、絵の雰囲気もあいまって、ほのぼのと安心できる平和な作品です。
お話は平和なんですが、この漫画に出てくる妹の「あやり」がかなりの料理オタクで、調理器具のコレクター。
こんなの一般家庭にはないよ!というものまで揃えていて、とても面白いです。
ガスバーナーなんて、私まで買いそうになっちゃいましたよ。
それで、「たまごふわふわ」ってなんだ
「たまごふわふわ」。
何だかホントにお料理の名前なの?
という感じですが、れっきときたお料理の名前らしいです。
薄めの出し汁の上に、泡だてたふわっふわの卵が載ってるだけなんですが、ふわふわしゅわしゅわした食感の卵が口の中で儚く消えて、上品な出し汁が身体に滲みて、とても美味しいお料理です。
このお料理は、アニメ『続刀剣乱舞花丸』にも登場し、全国の刀剣ファンから一気に人気が上昇しました。
現在では、静岡県の袋井市のB級グルメとして有名ですが、実は歴史が古く、江戸時代には既に上品なおもてなし料理として供されていたようです。
という事で、興味津々、「たまごふわふわ」を作ってみようかと思います。
たまごふわふわの材料
それでは、たまごふわふわの材料です。
材料は1人前。
我が家は今回4人前として、大きな土鍋で作りましたので、×4の分量で作っています。
卵が鍋からあふれる程ぽわんと作るには、土鍋の容量と卵の数が合っていないと難しいと思います。
うちは、鍋が5人前用だったので、そこまでにならなかった~・・。
たまごふわふわ材料1人前
☆ だし汁
200CC
☆ 卵
1個
☆ すまし汁用調味料
塩小さじ 1/4 薄口しょうゆ 大さじ1/4 みりん 少々
※ だし汁は、白だしを薄めたものでも代用可
たまごふわふわを作る決め手はメレンゲ?
たまごふわふわは、すまし汁の上に、卵黄と合わせたメレンゲが載っている料理です。
シフォンケーキを作る方なら何となく想像つくかなと思います。
1、出汁をひいて、すまし汁を作る
昆布と鰹節などで、しっかり出汁をひきます。
出汁がとれたら調味料を加え、すまし汁を作ります。
だしパックでもいいですが、昆布と鰹節でだしを取るなら、水200CCに対し、昆布3センチ角位のもの1枚に、鰹節1パック位が適当です。
でも、本当は鰹節で美味しいだしをとるには、結構な量が必要になります。
ここで登場、忙しい時の救世主。
白だし~!!
白だしを、基準の量より少し薄めに希釈して使いましょう。
書くまでもないですが、白だしを使う時は調味料は要りません。
一発で味が決まりますが、既製品は天然のだしよりは飽きのくる味付けになっているので、気持ち薄めに希釈することをおススメします。
2、卵黄と卵白を分け、卵黄の方に、だし汁を合わせておく
卵は、卵黄と卵白を分けておきます。
色々やり方がありますが、一度ボウルに卵を落として、手のひらで卵黄をすくうやり方が、一番卵黄を傷つけず簡単に分ける事ができる方法だと思います。
卵を落とすと、自動的に卵黄と卵白を分けてくれるやつもありますよね。
卵白はこの後冷凍庫に入れておきましょう。
冷凍庫が一杯だったら、冷蔵庫でもいいです。
卵白は、温かくなると泡立ちません。
卵白と卵黄を分けたら、卵黄を溶きほぐし、作っただし汁20CCをよけて、卵液と合わせておきます。
卵液ができたら、卵白を泡立てます。
3、たまごふわふわの決め手、メレンゲを作る
冷凍庫から卵白を出して、泡立てます。
手動でもメレンゲは作れますが、かなりの労力を要するのでハンドミキサーを使用します。
ここでひとつ。
これは、シフォンケーキのコツなんですが、メレンゲは、卵白がぬるいと泡立ちません。
失敗しないシフォンのコツは、卵白を凍結が始まる直前まで冷やしておくことです。
と言う訳で、冷凍庫から卵白を出して泡立てます。
この辺りまで来るともう後半なので、土鍋を火にかけて、だし汁を温め始めてください。
ガーっと卵白を泡立てます。
結構いいメレンゲできました。
この後、メレンゲと卵液を合わせるのですが、その前に、メレンゲができたら少し卵黄の方へ加えて混ぜておきます。
そうすると、この後卵白の泡がつぶれにくくなると『新米姉妹のふたりごはん』であやりが言ってましたので、そうします。
4、卵白と卵黄を混ぜ合わせ、だし汁に勢いよくおとす
予めメレンゲと混ぜておいた卵液を、メレンゲと合わせてよくなじませます。
卵黄と卵白がよくなじむように混ぜますが、泡がつぶれてしまうと食感が台無しに・・。
気を遣うというか、勘と熟練で加減します。
今回熟練の域には達せず・・。(結果論)
メレンゲの泡はつぶれなかったけれど、卵白と卵黄のなじませ方が足りなかった・・。
泡をつぶさないよう、全体的に黄色くなるまで頑張ります・・、あ~あ・・。
沸騰してアツアツになっただし汁の火を止めて、卵液を勢いよく落とします。
蓋をして10秒・・・・。
出来上がり
鍋の大きさと卵液の量があっていないですが、出来ました!
上手く落とすと、もっとスフレみたいな感じになるのですが、混ぜ方も足りないせいかちょっと跡がついています。
この漫画では、火を止めてから蓋をして10秒となっていますが、弱火のまま1分や2分というレシピも見かけます。
私が作った所、10秒ではメレンゲ部分が少し生っぽいかなという感じだったので、加減してみてください。
さて完成。
卵と言えばみつばかなと思いましたが、無かったので葱をトッピング。
この葱が、いい仕事してくれました。
ちょっと混ざり方が足りない状態でも、上はふわっとシュンっ、下はしゅわっとプルンとしていてとても美味しいです。
下の部分は火が通っているので、プルンとなるんですよね。
上の部分がシュワッとなるのがミソですが、お好みで火の通り具合を加減してみてください。
この後少し火を通してみましたが、また違った食感で美味しかったですよ。
「たまごふわふわ」は、材料は茶わん蒸しと同じなんですが、優しい味と食感で和みますね。
ネギと一緒に食べると、また味にアクセントがあって、とってもいいです。
下はこんな感じ。
口あたりもよくてするっと食べられるから、体調が悪い時や熱のある時にも良さそうです。
はぁ~、癒される・・。
あまり出汁の塩気を強くすると飽きるので、味付けは薄めがいいと思います。
風邪をひいていたり熱がある時は、塩気を感じにくくなったり、汗で塩分が排出されてしまうので、少し味付けを濃くしてもいいかもしれません。
「たまごふわふわ」に合わせるものは、ちらし寿司などがよさそうですね。
メレンゲを泡立てるのは大変ですが、手順はそんなにたくさんないので、「たまごふわふわ」を食べたことが無い人は、作ってみてはいかがでしょう?
この献立が載っている漫画を読みたい方は、こちらです。