『葬送のフリーレン』5巻あらすじと感想

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画像は『葬送のフリーレン』第5巻より/アベツカサ/小学館

『葬送のフリーレン』5巻が発売されました。

5巻もすごく面白かったのですが、個人的には構成やストーリーにちょっとビックリする位、今までの路線をくずさず、フリーレンの世界でした。

前回は、途中で仲間になった僧侶のザインと別れて、北部高原を越えるために、フェルンとフリーレンが1級魔法使いの試験を受ける所で終了となっています。

俗に、〇〇試験となると、激熱で、物語の最高に盛り上がる部分で、バトルあり、頭脳戦ありと盛りだくさんの内容で、凝ったコマ割りや構成、効果がふんだんに使われるイメージなのですが、『葬送のフリーレン』、そう来たか・・・、という感じです。

しかし、物語が盛り上がる部分というセオリー通りは外さず!

フリーレンの世界観の中で行われる1次試験は、ストーリーもすごく面白いのに、相変わらずの淡々さ。

しかも、メインはやっぱりお話と関連性なんですよね。

不思議だ・・、というか、やっぱりすごいわこの漫画。

『葬送のフリーレン』5巻の構成

という所で、5巻の構成。

『葬送のフリーレン』第5巻は、9割が1級魔法使いの試験の内容で、残り1割が、2次試験までのつかの間の日常パートと言った感じです。

シュタルクは戦士ですから魔法使い試験には登場しませんが、しっかりと面白い所を見せてくれます。

4巻終了時には即席パーティーを組まされて、いかにも悪意や裏切りのライアーゲームが繰り広げられそうな雰囲気でしたが、5巻が終わるころには意外な感じにしっくり纏まっている所がちょっとメルヘンで憎いですね。

フリーレンのパーティを筆頭に、フェルンのパーティー、4巻の終わりに登場した、今まで登場していなかったタイプのやんちゃなイケメン、ヴィアベルのパーティーが加わり、登場人物も増え、5巻は大いに盛り上がっています。

1次試験後の日常パートもぬかりなくよくできていて、本当キッチリ落としどころをつけているよなぁという印象。

こんな激熱展開で全く熱く描かないとか、メジャー少年誌では結構なリスクだと思うんですよね。

一見メリハリの少ないストーリーに見えて面白いのだから、原作者も作画のアベツカサさんも、すごいポテンシャルだと、一人感動。

目から鱗ですよホント。

4巻終了時に、激熱バトルや頭脳戦が繰り広げられると思っていた浅はかな私よ・・、恥ずかしい・・。

物語の中盤の回想シーンでフランメは、『フリーレンは平和な時代の魔法使いだ』というような事を言いますが、この辺りがきっと、原作者がこの作品で大事にしているテーマであり、熱い展開なのに熱さを感じさせる事をしない所以なのかなと思っています。

ちょっとネタバレあり『葬送のフリーレン』5巻あらすじ

という所で、『葬送のフリーレン』5巻のあらすじです。

大きくネタバレしちゃうとつまらないから、小さくネタバレ位にしておきます。

あらすじって、どこまでがネタバレなのか人によるので、難しいよね。

さて、4巻終了時に即席パーティーを組まされたフリーレンたち。

フリーレンとフェルンは別々のパーティーになっちゃいました。

なんと、フェルンの第4パーティーには、前回の1級魔法使いの試験時に、試験管を殺してしまったユーベルというゴスロリチックな小悪魔ちゃんもいます。

小悪魔ちゃんと言っても、人間です。

その他に、老練な宮廷魔導士デンケン率いる第13パーティー。

ヴィアベル率いる第8パーティー。

今後エピソードに登場しそうな他パーティーもチラリといましたが、5巻ではほんのチラリとだけ。

そして、審査員のゼンゼとゲナウと、あと一人。

書いていると意外と登場人物が多いのですが、読者を迷子にせず、キッチリと第一試験を終わらせています。

さて、第一試験の課題は「隕鉄鳥(シュテイレ)」を捕まえて、試験終了まで全パーティーが揃ったままそれを持ち続ける事。

簡単そうですが、シュテイレの速さは音速を超え、頑丈でなかなか拘束ができず、魔法で拘束しようとしても、並大抵な力では捕まえる事ができないとの事。

シュテイレは魔法で探知する事ができない鳥のため、簡単には探せそうもありません。

しかも、魔法使いに対して敏感で警戒心が高く、どのパーティも捕まえるのに難儀しているようです。

フリーレンは鳥を捕まえる魔法を持っていますが、射程距離が50cmと短く、普通にやっていてはシュテイレは捕まえることはできません。

そこで、一計を講じることになります・・・。

という事で、フリーレン達は行動を始めますが、これが、他のパーティーを巻き込んでの物語に発展していきます。

フェルンたちは運よく先にシュテイレを見つけますが、この試験、シュテイレを手に入れれば万事OKという事でもなかったのですね。

他パーティーのシュテイレを奪ってはいけないなんてルールもないし、、試験終了までシュテイレを持ちつつ、パーティーが全員揃っていないといけない。

そして、試験会場の森の中には魔獣もいるし、結界も張られているという・・。

そんな中、今回メインとなる人物たちが、知恵や経験を駆使して試験を突破しようとしますが・・。

こんな感じで、『葬送のフリーレン』第5巻はストーリーが進み、ラストに各キャラクターたちの休日が描かれるという構成と流れになっています。

相変わらずのファンタジーの世界ですが、実は魔物にやられちゃったパーティーの描写もあり、何となく『誰も死なない』雰囲気で読んでいた私は『おおおおぉぉぉ』とか思ったのですが、そう言えば、断頭台のアウラの時とかも、普通にバトっていたなと思い出しました。

平和なようで、それなりの描写はあるんですよね。

そんな訳で、第一試験を突破できたのは、全部で6パーティー。

今回焦点があてられたのは4パーティーでしたが、次巻以降登場しそうな気になる面々もいました。

次の試験は、どんなかな~??

5巻は登場人物が多く、どの人物も特に過去編があったりそこまで深掘りされているという事も無いのですが、ちょっとした一言や会話からにじみ出る部分が魅力的で、興味が湧きます。

それに、たった2話しか挿入されていない休日編なのに、そこには人々の魅力が満載。

次の試験に触れる部分もしっかりとありながらも、ストーリーも一区切りついて、読み手としては納得の読後感と満足感でページを閉じる事ができました。

ハラハラドキドキとか、ああっ!こんないい所で!!みたいな気持ちではなく、こんな読後もいいよねと、静かに余韻に浸るのも乙なものです。

2021年12月は、中止になっていたコミケが再開されるようですが、今年はフリーレンのコスプレも多そうですね、見たいなぁ。

特に、ヴィアベルとヒンメル・・。

最近は、忙しくて、買ったもののなかなか読み進める事ができないマンガや本が多い中、フリーレンやゴールデンカムイなんかは絶対その日に読んでしまうんですよね。

『葬送のフリーレン』は小学生でも大人でも楽しめますので、夏休み、親子共通の話題として読んでみてはいかがですか?

そして、子供がフリーレンに興味を持ったら、正統派ファンタジーの大長編『指輪物語』を勧めるのもいいかもしれません。

それではまた。

あ、ヒンメルは5巻もすてきでした。

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