漫画『コウノドリ』32巻より/鈴ノ木ユウ/講談社
こんにちは。
やっと『コウノドリ』の最終巻32巻を読むことができました。
2012年から始まって、8年ですか・・。
ドラマにもなり、大人気でしたね。
その間に我が家の子供も大きくなって、一人暮らしを始めたりしているので、個人的には20年位連載していた気持ちになります。
ブログを始めたのがずっと後だったので、なかなかこのマンガについて書く機会が無かったけれど、最終巻だし、とてもいい終わり方をしたので、最終巻のあらすじと感想です。
『コウノドリ』最終巻あらすじ
『コウノドリ』。
最終巻となる第32巻は、最後まで動きのあるまま最終回を迎えました。
とてもいい終わり方をしたと思うのですが、この最終回は、連載当時から決まっていたと、巻末のミニマンガに記されています。
巻末にいつもついている、作者の鈴ノ木ユウさんと息子さんのコミックエッセイですね。
ずっと昔、お子さんと歩いていた時に、息子さんが提案したそうです。
そして、「この物語はお前がいなきゃ生まれなかったんだから・・・。」と〆。
・・・、なるほど・・。
私はここでも感動しちゃったのですが、『コウノドリ』32巻のあらすじは、ジョージの小松さんへのプロポーズからです。
32巻始まり。
最近助産師の小松さんとお付き合いしているピアニストのジョージは、小松さんをデートに誘います。
でも、その日は小松さんのお母様の命日という事で、2人のデートはお墓参りになりました。
帰りの車の中、ジョージは小松さんのお母さんも助産師であったこと、小松さんも母親に憧れて助産師を目指したことなどを、彼女の口から聞きます。
その後、ジョージはニューヨークを拠点にした仕事に誘われますが、小松さんを連れていきたいと、彼女にプロポーズする事を決めます。
一方、助産師としての仕事に誇りを持っているものの、今の医療体制に疑問を持っている小松さんは、同じような考えを持つ、同期の武田さんとお茶をしながら悩みを話したりしています。
小松さんも、ちょうど転機というか、悩みの時期に来ているようです。
武田さんは、自らの考えで行動を起こし、納得ができる妊婦ケアができるよう、今後独立し助産院を開設すると宣言します。
小松さんにも「いっしょにやらないか?」と誘いますが・・。
・・・・、私も出産経験がありますが、病院も助産院もいい所があり、一概に「こう」という結論が出ないんですよね。
『お産は病気じゃない』っていう人未だにいますが、妊娠中はつわりで地獄の様に苦しいし、出産は大事故であり、実は昔から亡くなってしまう方も多いイベントなんですよ。
そんな中、充分なケアができないことにもどかしさを感じている武田さんと小松さん。
さらに、小松さんはプロポーズされ、ニューヨークへついていくか行かないかの選択まで迫られて、この巻でコウノドリは終わりなのに、大丈夫??
ちゃんと終わるの??
という感じです。
この結果がどうなるのか、知らない人には是非『コウノドリ』を読んでいただきたいのですが、間端折って、結局小松さんが勤める病院「ペルソナ」には、院内助産施設が立ち上がります。
小松さん達がどういう選択をしたのかは、32巻で確かめて下さい。
鴻鳥サクラと片平先生の出会い
ひとまず、小松さんのエピソードは終了し、後半は新しいストーリーが始まります。
サクラが行きつけの喫茶店で寛いでいる所、かかりつけの歯科医「片平先生」に声をかけられたことがきっかけです。
彼女は、今しがた不倫の相手と別れてきたばかり。
後で分かる事ですが、彼女は不倫相手の子を妊娠しており、一人で産んで育てる決意をしています。
シングルかぁ・・・。
それも、不倫の子とは・・・。
自分のクリニックも持っていて、歯科医師免許もあるのだから、今後の事には困らないだろう、恵まれてるねと、ちょっと意地悪な気持ちで読み進めますが・・。
その後、片平先生は、妊婦検診でペルソナに訪れ、外来担当だったサクラと顔を合わせます。
お互いの素性が知れた所で偶然が重なり、その後二人は親交を深めることになります。
サクラが小さい頃お世話になっていた孤児院の先生からも、「片平先生はサクラのお母さんに似ている。」という言葉があり、『ラストは鴻鳥先生も身を固めるのか??』。
という気持ちで読んでいましたが、サクラのお母さんと似ているのは、外見だけではなく、その儚さも・・、という事のようです。
片平先生は、妊娠と同時に急性白血病を発症していました。
妊娠を継続させるのか、母体を優先させるのか、岐路に立たされる片平先生と医師団。
片平先生は、妊娠を継続させたい意向ですが・・・。
『コウノドリ』第32巻感想と思い出
『コウノドリ』、最後まで面白かったです!
ストーリーの性質もあるけれど、すごくキレイに漫画が終了したなと思います。
いや~、最後まで展開が続くから、本当に終わるのか、残りページを気にしながら読むくらいでしたよ。
『コウノドリ』の序盤は、個人のお産に密着したストーリーで、毎巻泣きながら読んでいたのを覚えています。
これは、ドラマにもなるよねぇ・・。
途中、下屋先生が救急へ行ったり、四宮先生が退場したり、NICUに焦点が当たったりと、ストーリーは流れ、後半は災害やワクチン問題、養子縁組等、社会的で大きなテーマをあつかう様になり、最後、また原点へ戻って終了したという感じです。
四宮先生は好きだったので、登場回数が減った時にはショックでしたね~!
それから、ラストまで読んでみて、かなり衝撃だった事・・・。
それは、絵。
私は全巻持っているわけじゃなくて、レンタルなどを利用しているのですが、この機会にざっと全巻目を通したら、すごく絵が上手くなっている!!
鈴ノ木ユウさんの絵柄は、一応許容範囲ではありましたが、当時は『おおおおおっ!まじかこのひと』と思った事覚えています。『コウノドリ』が連載されていたのは「モーニング」ですから、そこまで絵柄は問題にならないのでしょうが、なかなか・・・、う~ん、なかなかな絵で結構ビックリしたんですよね・・。
『これで人気がでるんだ・・。』と。
アイキャッチの画像と比べてみて下さい、序盤のサクラ、〇ゲてるじゃないですか・・、生え際大事。
甚だ失礼な文ですが、絵柄の事など全く気にならないくらい『コウノドリ』は面白かったし、毎回感動させられたという事で、許してください。
男性向けの漫画雑誌で産婦人科というのも凄いし、お産を扱った漫画を掲載した「モーニング」も凄いなと思いましたよ。
さて、『コウノドリ』の最終回は、3年後。
新しく増設された院内助産施設に、将来的な産科のありかた等の説明を取り込んで、それぞれの人生という形ですが、ラストの鴻鳥先生の「よかった。」という言葉は、8年続いたこの漫画のあるべきある所の最上のセリフで幕を閉じたとも言えます。
それぞれの苦悩や悲しい出来事もありましたが、コウノドリは基本いい人ばかりの漫画でよかったなと思います。
(以下ネタバレ注意)
正直、小松さんが結婚するのもアリじゃないかとか、サクラにラスト、お相手が出来てもよかったんじゃないかという思いはありましたが、小松さんは自分の人生を全うする事に決めます。
でも、ジョージは「迎えに来る」みたいなこと言ってましたから、お互い軌道に乗った時は再び出会う事があるかもしれませんね。
四宮先生は、知らない間にしれっと結婚しそうな雰囲気ですが、鴻鳥サクラは飄々として縁遠いまま終了しちゃった感じで、鈴ノ木先生には、是非番外編などで、プライベートが充実しているサクラを描いてもらいたいななんて思ってます。
個人的なリクエストはこれぐらいにして、『コウノドリ』は、とてもいい漫画です。
サラリーマン層がターゲットの漫画雑誌で連載されていましたが、小学生でも多分読める漫画です。
実際、作者は自分の子供には読んでもらっていたようですし、お産を扱うけれど、エロい場面は確か無かったはず・・。
『どうやって子供ができるのか??』という年代の子にはデリケートだけど、色々な人に読んでもらいたいなと、僭越ながら思っています。
それではまた。