こんにちは。
札幌では今、芸術の森で『銀の匙展』が開催されているのですが(2022年9月11日まで)、札幌市の文化促進事業から補助金が出たみたいで、なんと、入場料が、半額の600円!!!
会場内の展示は、一部資料と動画を除いて、ほとんどが撮影可能という太っ腹。
しかも、原稿はデジタルではなく、アナログ原稿。
展示会のラストには、荒川先生がイラストを完成させる動画があり(撮影不可)、1,200円払ってもお釣りがくるぜ!!的な価値ある展示会でした。
という事で、レポートです。
※記事の写真は、全て『銀の匙展』より出典。撮影許可のあるものを掲載しています。
銀の匙展札幌会場公式HP
札幌芸術の森到着!目指すは芸術の森美術館
芸術の森到着しました。
美術館は9時45分から開館しています。
朝一番に到着~!
入り口で入場券を購入し、来場特典の御朱印をいただきます。
最近はオンラインチケットとか、文字の印刷のみのチケットが多いけど、こういう昔からある、凝ったチケットをもらうと、テンション上がります!
荒川弘先生の色紙がお出迎え。
八軒君が大人になってからの姿ですね~。
会場に入ります。
写真撮影は一部OKの、フラッシュ撮影禁止です。
あと、当たり前ですが、展示会場内は飲食は一切禁止ですし、携帯での通話や、大声でのおしゃべりは厳禁です。
さらに奥へ進むと、
撮影等の注意書き。
会場内では多くの原画が撮影可なのですが、三脚やフラッシュ、自撮りは禁止。
撮影してもいいのは、スマホのみの様です。
で、ここで、持ってきたコンデジはリュックに収納。
スマホにしていてよかった・・。
それでは、会場内へいざ!
展示会場は、作家のエナジーとファンの感動のオーラで包まれている!
展示会場。
入るとこんな感じなんですが、展示されている原画がもう、凄い!
デジタル原稿が主流となってる昨今ですが、荒川先生の原稿は、ほとんどがアナログなんですね。
一部デジタル処理してるのかなと言う所はあるのですが、肉筆の原稿は、とにかく、伝わってくる熱量がものすごい。
本物の迫力は段違い。
まさにレベチ。
ホワイトの効果や修正、コマの切り貼りなどもそのままの肉筆原稿は、圧巻。
ちょっとありがちな表現だけど、「魂が宿っている」。この一言につきます。
アシスタントさんへの指示までくっきり残る原稿は、確かにそこに、作者とアシさんがいたという証。
作品から放たれるエナジーとオーラに、思わず両手を合わせる私と娘。
展示されている原稿は、ランダムではなく、そのまま丸々数話分。
だから、端から追っていくと、ストーリー迄追えて堪能できるという綿密な構成。
そして、ホワイトの修正部分や、ベタ塗りのムラまでが、人の手を感じて愛おしい。
じっくり鑑賞し、ふと周りを見ると、けっこうな数の入場者。
誰もが、展示されている原稿やイラストに見惚れています。
その眼差しは、尊敬と愛に満ち溢れ、場内は終始、平和で和やかな雰囲気に包まれている。
まるでこれは・・、教会・・。
原稿横にある、荒川弘先生のコメントも必見
『銀の匙展』の見どころは、生原稿だけではありません。
所々に配されている「荒川メモ」も、一見の価値あり。
あとがき好きにはたまらない、絶妙な配置。
作者の人となりや、作品に対する考え方や狙いが伺える文章は、ついつい反芻してしまいます。
「ピザ試食投票の回では、実際にピザ屋で何種類も焼いて貰って試食&撮影した資料を使っています。」と荒川メモに書いてありますが、銀の匙展には、実際に荒川先生が作画等に使用した写真諸々も展示されています(撮影不可)。
その莫大な量の写真や資料は、読む側の想像をはるかに超えており、この漫画の種明かし的な部分。
綿密な下調べとリアリティがあるからこその面白さは、作者の苦労と努力を窺わせ、感性や才能だけでは確立できない漫画の世界を改めて認識させられます。
きっと、プロは皆、こうやって作品を完成させているのだ思うと、単行本や雑誌を取る手が震えてきます。
更に、その資料は、作者がすぐに調べやすいようしっかりとファイリングされ、整理されていました。
漫画が色々な人の手を経て初めて商業化されることは、一般常識として知っていても、実際に使われた資料の展示を見ると、やっぱり、自分は何も分かってないんだな~と認識させられます。
イラスト原画も尊いの一言
さて、銀の匙展の展示は、漫画の原稿だけではありません。
カラー原稿や、扉絵、コミックの表紙などのイラストも楽しむ事ができます。
とにかくきれい。もう、何も言えない・・。
美しすぎる。
大人気の連載だっただけあって、カラー原稿とかカラーの扉絵の数が多いです。
お正月企画の、年賀状イラストもありました。
上の写真は、『銀の匙展』用に書き下ろされたイラストです。
こちらのイラストは、下絵から出来上がりまでの動画(撮影不可)つき!
下絵を完成させ、ペン入れ、色合わせ、色付け作業がひととおり動画で見られるのですが、これがまたすごいです。
荒川先生のちょっとふっくらした手が映っているのも神々しいです。
綺麗な手だったので、まだお若いのかしら?
下絵を完成させた後、すごく慎重にペン入れしている様を見ると
本当にこの展示会、半額で見ていいのか!?
という気持ちに・・。
余談ですが、このイラスト、先生が一番最初にペンを入れたのは、八軒君のメガネでした。
どのイラストも色が凄くキレイだったので、高価な日本絵具と細い筆を使用しているのかと思ったら、色塗りはコピックでした。
私もコピック持ってるんだけど、あんなきれいに色が出ないよ・・。
なんなん??
という事で、素晴らしかった『銀の匙展』。
次の会場は、帯広です。
東京と大阪はずいぶん前に終わっているけど、帯広はこの漫画の舞台となった所なので、何かがあるかもしれない(?)。
生原稿からは、プロのパワーとオーラが溢れていました。
アナログって、やっぱりすごい。
原画展関連は、海を越えて北海道まで来ない事も多いので、この展示を見る事ができて本当に良かったです。
ついでにコミックも読み返したけど、「銀の匙」は、やはりすごく面白いです。
持っている人は、ぜひ、もう一度読み返してみて下さいね。
それではまた。